ハルキミ。 MG【2】 (ページ15)

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大学の特設ステージ、みたいなところでは有志のバンドが歌を歌っていて。

MG「あの、ボーカルいるでしょ？あれ、ジョンハニヒョンの親戚なんだよ。」

ミンギュくんは人がたくさんいる中でも余裕で見えているけど私は背が低いから、頑張って背伸びしてそのボーカルの人の顔を見る。

言われてみれば、ちょっと似てるかも。

MG「そういえば、去年はジョンハニヒョンたちが有志でバンド組んでここでやってたんだよ。」

ジョンハンさんって楽器できるんだ。

きっと私が知ってるジョンハンさんの事なんてたったの数パーセント程度で、知らないことの方が多いんだろうなって思った。

.

この間の学祭同様、あっという間に時間はどんどん流れて行って少しずつだけど日が落ち始めている。

MG「なんか、全部回ったから見るとこ無くなっちゃったね。」

「うん、そうだね。そろそろ帰ろうかな。」

MG「じゃあ、一緒に帰ろ。」

そうしよ。と言った時、鼻先に雫が落ちた感覚を覚えて。

思わず上を見上げると、数秒もしないうちに雨足が強くなりはじめた。

もう、今日は一日晴れだって朝言ってたじゃんか。

MG「うわ、雨？」

「ごめん、今日折り畳みも持ってない…」

MG「しょうがないよ。晴れだって予報で言ってたし。」

どうしよう、と頭を悩ませている間もどんどん強くなっていく雨。

通り雨みたいだから数時間もすれば止みそうなんだけど、多分今が一番強いみたい。

「とりあえず駅まで走ろ！」

MG「Aちゃん、大丈夫なの？」

「私は大丈夫だから。行こ！」

いつもと違って、私がミンギュくんの手を引いて走り出す。

あーあ、せっかく巻いた髪も洋服も全部台無しだ、ってちょっと泣きそうになったけど泣いたら余計にメイク崩れるって思って我慢した。

やっと、駅に着いてたくさん走ったから少し息が切れる。

髪の毛も服もびしょびしょだ。

MG「あ！Aちゃん、これ着な！」

ミンギュくんは来ていたトレーナーを脱いで私に渡そうとしていて、中に半袖しか着ていないみたいだから大丈夫だって断ったんだけど。

MG「だめ！着て！」

「ミンギュくん、風邪引いちゃうからダメだって。」

そんな押し問答をしていた時に、

？「ミンギュ…？」

ミンギュくんの名前を呼ぶか細い声が聞こえた。