【文スト 】お父さんの馬鹿

自分勝手 ページ46

森鷗外 目線




目の前で眠る小さな娘









つい先日漸く外出許可が専門医から出たというのに









娘は再び病院のベットに横たわっていた。









完璧に自分の不注意だった









私はポートマフィアの首領で









この子はその娘









敵対組織からしてみれば

言い方は悪いが、良い餌なのだ









それなのに、娘と出かけることに浮かれてその自覚が薄れていた









まるで、`ただの`父親のように。









ごめんね









幸せな家庭ではなくて。









ごめんね









普通の家庭ではなくて。









この子は、もっと安全な場所で生きるほうが幸せなのではないだろうか









こんな、危険と隣り合わせな場所で









自由に生きることができない場所で









本当の幸せなんてつかめるのだろうか









私は自ら望んでポートマフィアの首領になった









けれど、この子は望んでこんな父親のもとに産まれたわけじゃない。









きっともっと、良いところがよかっただろうに









「本当、どうしたものか…」









けれど、もしこんな所嫌だと









お前なんか大嫌いだと言われたら。









私は自分勝手だから。









そう言われるのが怖い。









君は、どうしたい？








なんて言葉、









臆病な私には口に出すことができなかった。

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