娘 ページ35
森 �貎外 目線
その後、手術も無事終わり安静にしていたA。
麻酔によって眠っていた彼女を見た時は出産時の妻と重なって焦ったものだ。
起きた後は痛い、ともつまらない、だとも一つも文句を言わずに静かに横たわっていた
部屋から持ってきた大量の本を読んで。
私の娘はこんなにも大人しかったのか。
エリスちゃんは我儘もたくさん言うし
まぁ、大人しいほうではないだろう
それにしても、静かすぎではないだろうか
10歳児はもっとはしゃぐ年頃だと記憶している。
私が彼女をこんなにしてしまったのだな
｢……A｣
私が入ってきたことに気づいていないほど読書に熱中していた彼女はビクッと肩を上げてこちらを向く
｢どうしたの、お父さん｣
にこり、と笑う彼女の作り笑いの癖はとれそうになかった。
｢明日、退院だそうだ｣
暫く点滴を受けに来たりだとか、薬を飲むのはまだあるみたいだが部屋には戻っていいみたいで。
｢本当?久しぶりだなぁ｣
彼女の部屋に本を取りに行った時、そこらじゅうに消しきれなかった血痕があったり
引き出しに大量の凶器があって思わず顔を顰めた
｢そこで、提案なんだが…｣
うん?とそばに座る私を見る
｢明日、お出かけしないかい?｣
暫しの静寂
やっぱり嫌だろうか
｢行く、行きたい!!｣
顔をぱぁっと明るく輝かせ笑うA
あ、これは本当の笑顔だ。
なんとなく、わかった。
そう思えば、少し暗い表情になる彼女
いや、本当に勘違いか?と思えるほどの変化なのだが。
｢エリスちゃんと3人よね。楽しみ!｣
にへら、と笑う彼女はまた仮面をつけている気がした
｢いや…エリスちゃんにはお留守番してもらおう。明日は、2人で行こう｣
そしたらまた少し表情が明るくなる
｢うんっ!｣
やばい、可愛い
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2901人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ライ - やばすぎる親の前で見てて泣いてしまってあくびで誤魔化したくらいやばかったです！！ (4月14日 3時) (
レス) id: 3472106834 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーす。(プロフ) - やばい。すっごい感動しました…！！！もう読みながらずっーと泣いてて、涙で字が見えなくなりました！！！ (2月24日 22時) (レス) @page47 id: 93d57c8cdc (このIDを非表示/違反報告)
deal...推し尊し - めっちゃ感動した、、、！！号泣しました！！ (2月23日 10時) (レス) @page47 id: 6f967a7261 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺 - いつもはあまり感動して泣く、というのはなかったのですが、この作品を読み終えたとき、号泣しました。神作をありがとうございます！ (12月13日 17時) (レス) @page47 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 号泣しました。最高の作品です (9月13日 1時) (レス) @page47 id: ca09eb9558 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：梅ノ
| 作成日時：2016年8月14日 15時
