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まだ ページ30

右も左も分からない真っ白な空間









「すごいよ、太宰さん。死 後の世界ってあるんだね」









そんな場違いなことを考える私









でも、こんなに何も無いと少し寂しいな









歩いても何も得られぬだろうと座り込む









「……お父さん」









最後の最後に私の願いを叶えてくれた









「あったかかったなぁ…」









「ったく…こっちに連れてくるの早いわよ、馬鹿な�貎外さん」









私以外の声が聞こえて驚いてそちらを振り向く









「大きくなったわね、A」









「お母さん…?」









前に1度だけ父の書斎で見た写真









そこに写っていた若い女性だった









女性は嬉しそうな顔をする









「貴女を置いていってしまった私を母と呼んでくれるのね…」









あ、この笑い方。









少し自分に似ていると思った









「本当はもっと話したいのだけど、時間が無いの」









どういう事だろう









「まだここに来ちゃ駄目よ」









苦笑いしながら話すお母さん









「でも私、思い残すことないよ?」









「嘘はダメ」









そう言って母は私に軽くデコピンをする









「まだお父さんとおでかけ、してないじゃない」









お母さんは何でも知ってる。エスパーだ









「次ここに来るのはAが幸せになって、よぼよぼのお婆ちゃんになった時だよ?」









なんだかもうお母さんとお別れなんだって悲しくなって。









涙をぼろぼろ流しながらうん、うんと頷く









そんな私をお母さんは強く、でも優しく抱きしめてくれる









「ずっとずっと、愛してるわ。A」









そっと離れていく母









「そろそろかな」









お母さん、









そう声をかけようとすると口元に人差し指をあてられて、しーっという









「どんな事があってもお母さんはAの味方だから。自分が正しいと思うことを貫き通してね」









綺麗な笑顔









薄れる私の意識









「ちょっと早いけど、お誕生日おめでとう。A。」









その声を最後に私の意識は再び闇に入った

私の我が儘を→←お願いだから



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ライ - やばすぎる親の前で見てて泣いてしまってあくびで誤魔化したくらいやばかったです!! (4月14日 3時) (レス) id: 3472106834 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーす。(プロフ) - やばい。すっごい感動しました…!!!もう読みながらずっーと泣いてて、涙で字が見えなくなりました!!! (2月24日 22時) (レス) @page47 id: 93d57c8cdc (このIDを非表示/違反報告)
deal...推し尊し - めっちゃ感動した、、、!!号泣しました!! (2月23日 10時) (レス) @page47 id: 6f967a7261 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺 - いつもはあまり感動して泣く、というのはなかったのですが、この作品を読み終えたとき、号泣しました。神作をありがとうございます! (12月13日 17時) (レス) @page47 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
- 号泣しました。最高の作品です (9月13日 1時) (レス) @page47 id: ca09eb9558 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:梅ノ | 作成日時:2016年8月14日 15時

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