温かい ページ27
ぐさり
そう表現できる音がした
だが、一向に痛みがこない
閉じていた目をそっと開けて首領見れば
彼の手に深々と果物ナイフが刺さっていた
「何、しているんですかっ」
慌てて包帯を取り出そうとすれば
怪我をしていないほうの手で腕をつかまれた
「……首領?」
不思議そうに見つめれば眉に皺を寄せる彼
「…痛いね」
何を言っているんだこの人は
どんなに痛みに慣れていようが、痛いものは痛い
そんなの当たり前じゃないか
「判ってますよ、それくらい。だから早く治療をしなきゃーーー」
「気づけなかった、君のこんな痛みに」
急に何を?
「その体中の傷も、心の大きな傷も。私は、癒すどころか大きく抉っていってしまった」
やめて
「すべて見えないふりをしていた」
そんな顔をさせたかった訳じゃないのに
お願い。そんな顔をしないで
私のせい?
私がいるからそんな顔をするの?
やっぱり疫病神じゃない、私は。
「私にはこんな事をする権利はないかもしれない。君は嫌がるかもしれない。それでも、1度だけ」
馬鹿な私に許可をおくれ。
そんな言葉が耳元で聞こえた
目を見開く私
「ーーーーーA」
ずっと夢見てきたもの
暖かい父の胸の中で名を呼ばれた。
…………………………
もうそろそろこの作品も終わりですかね〜…
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ライ - やばすぎる親の前で見てて泣いてしまってあくびで誤魔化したくらいやばかったです!! (4月14日 3時) (レス) id: 3472106834 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーす。(プロフ) - やばい。すっごい感動しました…!!!もう読みながらずっーと泣いてて、涙で字が見えなくなりました!!! (2月24日 22時) (レス) @page47 id: 93d57c8cdc (このIDを非表示/違反報告)
deal...推し尊し - めっちゃ感動した、、、!!号泣しました!! (2月23日 10時) (レス) @page47 id: 6f967a7261 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺 - いつもはあまり感動して泣く、というのはなかったのですが、この作品を読み終えたとき、号泣しました。神作をありがとうございます! (12月13日 17時) (レス) @page47 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 号泣しました。最高の作品です (9月13日 1時) (レス) @page47 id: ca09eb9558 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梅ノ | 作成日時:2016年8月14日 15時