涙 ページ22
目から音も立てずに静かに。
とても綺麗な涙を流す首領。
慌てて目元を拭う彼
「い、いや。彼の娘がこんなに立派になっていて感極まってしまってね。失礼した」
そういって私の頭に手を伸ばす
が、何か気づいたように手を引っ込めてしまった。
「……今日は暇しよう。また来る。」
もう、帰ってしまうのか
とても、名残惜しい
「はい。来てくださってありがとうございました」
あ、でもその前に。そう前置きを置いて話を進める
「首領はどうして、私の事を名で呼ばないのですか?」
さっきからずっと思っていたこと
「名で、呼んでくれませんか?」
この人にだけは名で呼んで欲しい。
そんな気がする
「ーー君が記憶を取り戻した時に、君の名を呼んであげるよ。」
何故、その時じゃないといけないの。
今、呼んでほしいのに
がらがらと戸を開けて出ていこうとする
待って、やだ。行かないで
お願い、
「お父さんっ……!!」
自分から出てきた言葉に驚き口に手を当てる
首領も驚いて立ち止まる
「あ……ごめんなさい。何故だか気づいたらそう呼んでいて…。」
「君は…記憶をなくしても尚、私の事を父と呼んでくれるのかね」
そんな声が聞こえた
「え、待ってください。それってーー」
私の言葉を聞かずに出ていく彼
心に大きなもやができる
何だ、これは
「ぃ゛っ」
思い出そうとすると頭がひどく痛む
目から零れた涙に気づかずに私は考え続けた。
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ライ - やばすぎる親の前で見てて泣いてしまってあくびで誤魔化したくらいやばかったです!! (4月14日 3時) (レス) id: 3472106834 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーす。(プロフ) - やばい。すっごい感動しました…!!!もう読みながらずっーと泣いてて、涙で字が見えなくなりました!!! (2月24日 22時) (レス) @page47 id: 93d57c8cdc (このIDを非表示/違反報告)
deal...推し尊し - めっちゃ感動した、、、!!号泣しました!! (2月23日 10時) (レス) @page47 id: 6f967a7261 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺 - いつもはあまり感動して泣く、というのはなかったのですが、この作品を読み終えたとき、号泣しました。神作をありがとうございます! (12月13日 17時) (レス) @page47 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 号泣しました。最高の作品です (9月13日 1時) (レス) @page47 id: ca09eb9558 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梅ノ | 作成日時:2016年8月14日 15時