【文スト 】お父さんの馬鹿

番外編 馬鹿な親子 ページ20

尾崎紅葉 目線





面倒を見ていたAももう8つになっていた









自分の事は自分でやる良い子。









それ故私らを頼らないのはすこしいただけないが。








そんなことを考えながら呼ばれた首領の部屋へと足を動かす。









大きな扉に手を伸ばしかけて中からの声に止まる









｢用が済んだのなら帰りなさい。これから紅葉くんがくるんでね。｣








｢で、ですがお父さん…っ｣









｢聞き分けが悪いね、君。｣









そこで会話は途切れた









私が、入ってきたからだ。









｢失礼、挨拶もせんで入ってきてしまった｣








Aの横に並び腕を伸ばして着物で彼女を隠す









｢私の部屋にいると良い。後で菓子をやろう｣









こくこくと頷きながら帰ってゆくA









｢相も変わらず冷たいのぉ、首領｣









その冷たさは、愛ゆえにかえ?









悲しそうなあの娘の表情にこの男が気づかぬ筈はないのに。









この男は変わらぬ









傷つけぬようにと遠ざけた娘を結果傷つけ









自らも娘が嫌いだと思い込むようにした









何故あの子とこの男の心はすれ違ってばかりなのか。









神というものは意地悪だ









私の時もそうだったように。









私は愛は嫌いだったが、Aのせいで愛を思い出してしまった









せめて、お前と首領だけは幸せになっておくれ









何時までも、私はお主らの味方だから。









…………

どうでしょう。


華京院アリスさんからのリクです!
ありがとうございます!

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