いちばんのバケモノ【QK】

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(中村 side.)




『うそ…』


本当に知らなかった。


まさかクイズ界にも私の名前が挙がっていたとは。


男1「今結構有名じゃないすか。彼氏とかいるんですか？」


え、彼氏！？


居ないよ居るわけないよっ！


『彼氏は居ませn』


女1「いや居るでしょ〜！てか、彼氏の付き添いでここのクイズ大会来たんじゃないの？」


男1「あー確かに、それだな！」


え、ちょ、全然違うよ！？


自ら希望してここに来たよ！？


女1「ねっ、そうなんだよね？」


やばい、この女の人めっちゃ笑顔で問いかけてきてくれてる…！！


なんか、断りづらい…！！


『えぇと…』


男2「今何処にいるんすか〜？笑」


なんで彼氏いる前提！？


ど、どうにかしないと…！！


するとそこに、



？「え、なにこの人だかり？面白そうだな笑」



一人の青年が通りかかった。



ごめんなさい、助けてください…！！


心の中で必死に謝りながら、私はその人の上着をぎゅっと掴み、



『…こっ、この人が私の彼氏ですっ！！』



勇気を振り絞ってそう言った。


？「……え」


ホントにごめんなさいっ…！！


男1「えっ、君って確か、伊沢？」


男2「予選上位通過の人じゃん。開成中の」


はっ！


この方、イザワ、って名前なのか！


…よし、ここは私の演技力ッ！！


『ねっ、そうだよね？イザワくん！』


初対面でくん付けごめんなさい…！


慣れ親しんでる感じを出さないとと思い、私はイザワさんに必死の目を向ける。


イザワさん、どうか察して…！！



すると彼は、私のこの状況を察してくれたようで、


伊「じゃ、僕達はちょっと失礼します」


そう言って私の手を引きながら、この場を去らせてくれた。



少し歩いたところで彼…イザワさんは立ち止まった。


『あの、ホントにごめんなさい！初対面なのにあんなことを…』


伊「いえいえ、大丈夫？あ、俺のネームプレート見えなかったよね。」


彼はそう言いながら上着を脱ぎ、Tシャツに付いているネームプレートを私に見せた。


伊「俺、伊沢拓司っていいます。よろしくね」


ネームプレートには、

「エントリーNo.1729
開成中3年 伊沢拓司(いざわたくし)」

と書かれていた。


伊沢さんは、私のネームプレートをじっと見つめる。


伊「中村Aさん、中1…えっ、もしかして…」


するとそこに、


？「あ、伊沢さん。やっと見つけましたよ…ってあれ、お取り込み中でしたか？」


もう1人の青年がこちらへ走ってきた。

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