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莉犬
「お腹空かない?」
莉犬くんが私に尋ねて来た。
時計を見ると、もうすぐお昼だ。
私がここに飛んで来たのが、確か朝7時前だっただろうか。
そういえば事故にあった日の夜はバイトだったから
その日の昼から私は何も食べていない事になる。
「私、死ぬ前に食べたものなんだったっけ」
これって結構大切だよね。
思い出せないって事は、きっと何の変哲もない普通の食事だったのかな。
「死ぬ前に一番好きな物食べたかったなあ。
あ、もしかして私がやり残した事ってそれかな?
その為にタイムスリップ?
しょうもなくない?」
正直、私がここに飛ばされた理由が全く分からない。
神様はやり残した事をやり直すチャンスをくれたはずなのに。
東京に、しかも時間まで遡って飛ばされるなんて、全く理解不能だ。
莉犬
「……あのさ、こんな事聞いていいのか分からないけど」
1人でぼそぼそと独り言を言う私に、莉犬くんが言い辛そうに口を開いた。
莉犬
「……何で死んじゃったの?」
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作者名:ニートになりたい | 作成日時:2021年6月29日 14時