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私は莉犬くんに経緯を説明した。





2021年の6月3日、私が交通事故で死んだ事。





神様が、私の死は間違いだと言った事。

そしてその間違いを償う為に、私に人生をやり直す機会を与えてくれた事。





ただし、期間は24時間だけ。

24時間後には、その時に私と接触した人の記憶は全てリセットされる事。





「莉犬くん、明日の6月4日がすとぷりの結成日だよね」





とんだメタ発言だ。

分かっていても、自分でも何言ってんの?と思う。





こんな事言っても信じてくれるわけ無いよね。





莉犬
「んー」





莉犬くんは少し悩みながら頷いた。





莉犬
「信じられないけど、信じるよ」





「……え?」





莉犬
「だって俺がすとぷりに入る事、まだ誰にも話してないもん」





「でも……」





莉犬
「それに、俺まだ顔出ししてないのに、君俺を一目見ただけで莉犬って認識したじゃん。

それって、未来の俺と顔を合わせて会ったからでしょ?」





そうだよ。





最初はまだたどたどしかった歌も

5年後にはまるで別人みたいに成長して

ファンだってたくさんいるんだよ。





莉犬
「正直日付を聞いて戸惑ってた時は変な人かなって思ったけど、全然そんな事無さそうだし」





「変な人……」





推しに言われるとグサッと来る。





莉犬
「で、そのやり残した事って何なの?

何で5年前に?」





「それは……

っくしゅん」





私は大きなくしゃみをした

冷静になってみると何だかすごく寒い





「6月なのに寒い……」





莉犬
「今年の6月は気温がおかしいんだよ。

何でそんな薄着なの?」





「未来の6月はこれで十分だったから……」





莉犬
「……………」





莉犬くんは私をじっと見つめると

着ていたジャージの上着を脱いだ





莉犬くんの温もりと、莉犬くんの匂いがふわっと私の肩にかかる





莉犬
「……こんなのしかないけど」





「……いいの?」





莉犬くんはこくりと頷く





……優しいなあ





「ありがとう。

……ぴったりだ」





莉犬くんのジャージは私にぴったりで

莉犬くんの優しさに心まで温かくなった





莉犬
「……寒いし、場所変えない?

ここ俺ん家だから」





莉犬くんが視線をやった先には、小さなアパートがあった。





「え……」





いいんですか?

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設定タグ:すとぷり , 莉犬くん , stpr   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ニートになりたい | 作成日時:2021年6月29日 14時

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