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気が動転していた。
私は口にしてはいけない事を言ってしまった。
莉犬くんは私の顔を、愕然とした表情で見つめている。
「……っ」
私は居てもたってもいられず、勢いよく部屋を飛び出した。
全く知らない土地だし
真っ暗だけど
とにかく走った。
堪えきれなくて、涙が溢れ出た。
私は最低だ。
莉犬くんはすとぷりが大好きで
活動が大好きで
リスナーを楽しませる事が大好きで
そんな莉犬くんに、すとぷりが原因で死んだなんて
言わなくてもいい事なのに
莉犬くんは知らなくてもいい事なのに
ショックだったよね。
ごめん、ごめんね莉犬くん。
「……くしゅん!
寒い……」
あ……
勢いよく出て来ちゃったから
莉犬くんのジャージ借りたまんまだ……
時間切れになる前にそっと返しに行こう
もう、莉犬くんに合わす顔ないや。
……早く時間切れにならないかな。
私の瞳から、また涙が零れる。
「……ねえ神様……聞こえてる……?」
もちろん返事なんて無い。
だけど、聞こえてるはずなんだ。
「……どうして私、ここにいるのかな……?」
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作者名:ニートになりたい | 作成日時:2021年6月29日 14時