〜３０〜 ページ30
彼女は、茜ちゃんという名前で、
すべてを、包み隠さず教えてくれた。
学校でいじめにあっている事、
家では、邪魔者扱いされている事。
聞くのですらも、辛かった。
「茜ちゃん...あのさ」
「...なんですか？」
「私も、親からは見放されて友達もできなかった。
そんな中で私、どうやって生きてきたんだろうと思ったら、
なにも思いつかなかった。
学生時代、空っぽのまんま生きてたから
思い出がなかった」
どれだけふり絞って考えてみても、
自分が歩いてきた道を見つけることはできなかった。
たった一度しかない人生のうちの、
三分の一をごみのように捨ててしまった。
全ては、
「自分が諦めたから。
自分なんかって、そう言って私は勝手に失脚した。
茜ちゃんにはそうなってほしくない。
淡々と生きてるだけじゃ、何も見えてこないってことに気付いてほしい。
他人のせいで自分を傷つけちゃだめだよ」
「じゃあ...私はどうすれば」
「自分の思いを素直に口にしてみたら？
誰か何かに気づいてくれるかもしれない」
無責任だけど、これしか言えなかった。
親といざこざがあって、偉そうなことを口にする資格はない。
「言ってみます。
私、ただの人形なだけだったのかもしれない。
何も言わないから、見捨てられたのかもしれない」
茜ちゃんは受け止めてくれたようだった。
「ありがとうございました」
「いや...全然」
涙が出そうになったが、
私は歯を食いしばってぐっとこらえた。
「しにたいって、
し『あわせ』に『なり』たいの略って、どこかで聞いたことあるな」
茜ちゃんがいなくなって一人、
そう呟いた。
「茜ちゃんも、
本当は幸せになりたいって強く思ってるんだろうね」
不幸と幸せはいつになっても隣り合わせ。
どっちも人生には必要だよね。
んで、どうやって帰ろう。
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よしな - とっても面白いですね！これからも頑張って下さい！更新楽しみにしております！ (2017年9月18日 9時) (
レス) id: 8444393bfc (このIDを非表示/違反報告)
ちーちゃん - にゃ！？って叫んでて親に「なにしてんの」って言われた。私もそんなことあります！親に空気みたいな扱いされて、でも誰にも相談できなくって、いつも他の人が心配するからって自分に「笑っとけ笑っとけ！」って言ってた(笑)って愚痴ってすいません。頑張って下さいね！ (2017年9月12日 20時) (レス) id: b018cf85ec (このIDを非表示/違反報告)
つぶつぶメロン - 皆さんコメントありがとうございます！更新遅くて本当にごめんなさい...評価9,9点で99票...奇跡ですか？100票目を楽しみにしています！ (2017年8月30日 22時) (レス) id: 6872ac4879 (このIDを非表示/違反報告)
miana - なんか、読んでて凄くドキドキします！夢主ちゃんがお母さんに反論したところとか、まふくんが助けに来てくれたところとか、全部ドキドキしました！続き頑張ってください！ (2017年8月18日 8時) (レス) id: 376d521097 (このIDを非表示/違反報告)
雨音@ねむり猫の何でも屋(プロフ) - うわぁ…！凄い素晴らしい作品ですね…！なんか読んでて涙出てきちゃいました…まふくんの言葉が心に響いちゃって…単に私が弱いだけなんでしょうけどね。更新頑張ってください！応援してます！今後の展開も楽しみです！長文失礼しました！ (2017年7月29日 3時) (レス) id: 8334af748d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つぶつぶメロン | 作成日時：2017年3月6日 21時
