【文スト】魔法使い様は＊＊なようです【男主】

魔法使い様のお仕事 ページ4

カタカタとパソコンのキーボードを叩く音が聞こえる。

昼休みが終わり、パンケーキパワーのおかげでやる気がとてもある僕は早速仕事をする。


とは云いつつも、事務員は調査員より仕事をする量は圧倒的に少ない。

依頼の内容によって異なる調査、聞きこみ、推理。更には報告書を事務員宛に書かなければならない。


だから、僕達がやることと云ったらだいたいは書類の整理整頓、依頼人に出すお茶やお菓子の在庫確認(たまに乱くんが勝手に持ち出すのでその確認も)、それから迷惑をかけてしまった方々への菓子折りの手配だ。

今は、書類の確認と整理をしている。


「…………ん？あっ、加藤さん！ここ、抜けてます。修正よろしくお願いします」


「えっ？ちょっと見せてください。……あー、すみません。すぐ直します！」


加藤さんとは、事務員仲間で僕によく彼女の事で相談をするそこそこ仲がいい人だ。

仕事も早くて頼りになり、密かに皆のお兄さんと呼ばれている。


「ところで、中本さん。その人は知り合いですか？」


僕の後ろを苦笑し乍ら指差している加藤さん。

流石探偵社員。事務員までしっかりと変人慣れをしている。


「……いいえ？後ろには置物しかないでしょう？」


「Aたんがこんなにも冷たい！！これは！あの小学生男子のあるあるの！好きな人につい冷たくしてしまう感じのあれでは！！？」ﾊﾟｼｬｼｬｼｬ


…………知らない、こんな僕の兄に似ている変な置物は知らない。


「国木田くん！粗大ゴミの日っていつだっけ？」


「……来週だな。手帳に書いてある、が…人間は捨てれんぞ。この前太宰を捨てたら回収されなかった」


「……そっか」


「しょぼんってなったAたん可愛すぎか！！天使！天使すぎる！！！羽が見えるよAたおごああ！？」


うるさかったので、口に廃棄寸前の書類をまとめて突っ込む。


「………あ、三浦さーん！お菓子の在庫ってあとどれくらいでしたっけ？消費期限切れそうなものとかありました？」


「…………えー、と確か三つ程切れそうな物があったので…買い出しをお願いできますか？」


「はい、分かりました！何時ものお店で良いですよね？では、行ってきます！」


空が綺麗に晴れて暖かい午後、探偵社の一部が極寒の空気を纏っていたのはここだけの話である。


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