魔法科高校の劣等生 (ページ4)

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清々しく晴れた空の下

新たな学校生活に期待を寄せている生徒達や自分の子の晴れ姿を見に来る親が集まるおよそ二時間前

きっちりとしたお下げに今時見ない底の厚い眼鏡、ブレザーには八枚の花弁など存在しない、緑色のブレザー
第一印象は、と聞かれても答えるのに戸惑うくらい、これといって特徴のない容姿

そんな女子生徒が一人、入学式が始まるまでの間、中庭のベンチに腰かけていた

…唯一聞こえるのは一対の男女の話し声
どうやら女の方は怒っているようだ
入学式くらい穏便に過ごせばいいものを、と思いつつ本を開く

これもまた、今時見ることのない紙に文字が記された本というものだ

暫く熟読していると前方から足音がし始めた
足音からするに、男だろう
…先程言い争っていた一人か、面倒だな
と内心思いつつ本に集中する

すると突然周りからヒソヒソと話し声が聞こえてきた

―あの子、ウィードじゃない？

―こんなに早くから…補欠なのに張り切っちやって

―てか、あそこのベンチに座ってるのもだろ

―所詮、スペアなのにな

聞きたくもない、単語の混じった相手を嘲笑する台詞

近付いて来ている男子生徒に向けてかと思いきや、どうやら私までもその標的になっていたらしい

…本当、面倒だ