魔法少女も恋してる。 (ページ2)

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2.魔法少女の素顔。ページ2

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「お近付きになりたい！」

『誰と？』

「平野紫耀と！」

『は？正気？笑』

マネージャーのミナトの呆れた笑い声が、
楽屋にしばらく響き渡っていた。

私が一目惚れをしたお相手さんは、
有名なアイドルグループのセンターの方。

あの日見た潤んだ瞳を私はまだ忘れられない！

「…っていうのは嘘でして」

『どんな嘘だよ！笑』

「まぁ、かっこいいから推し始めましたって」

「ただそれだけの話…笑」

『あーね、Aがオタクになんの珍しいね笑』

「うん、高校でアニオタだった時ぶりかも笑」

一目惚れしたのは事実なんだけど、
別に恋をしたという感じでは無い。

単に推し様であり、尊い。

うん、そんな感じ。

『もうCDとか買ったの？』

「まぁ、全部…」

『やば、お前のファンが可哀想だわ笑』

数年間ひたすら稼いで貯まっていたお金、
つまりファンが数年間私に貢いだお金は、
ここ1週間でほとんど彼に流れていった。

でも別に私だけじゃないでしょ。

隠れて平野紫耀を推してるアイドルぐらい、
その辺探したらじゃんじゃん見つかりそうだし。

『頼むから活動に支障きたすなよー？』

「それは大丈夫、プロなんで笑」

『うん、だよな、もう魔法少女も5歳かぁ笑』

「そっか、デビュー当時まだ高校生だったね笑」

こんな会話をしている最中も、
メイクさんは今日も黙々と私を可愛くしてくれる。

このメイクさん、
飲みに行くとめっちゃ喋るのに、
楽屋ではマジで喋んないんだよなぁ。

ちなみに私の周りのスタッフさんの採用条件は、
私の本性を暴露したりしない口の堅さ重視なため、
楽屋でこんな話もできているのです。

『てかAさ、この間の歌番組で平野くんにステッキぶつけてなかった？』

「あ！忘れてた！」

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