一難去って ページ10
中也が「姐さん呼ンでくる！」と意気込んで出て行った後、開かれたカーテンの先に見える鼠色の空を眺める。痛み止めが効いているのだろう。あまり痛みを感じない。試しに撃たれた箇所に触れてみると、電撃のような痛みが走り一人静かに悶絶するA。
『生きてる、のか…』
するとコンコン、とノック音。誰だと顔を上げるのと同時に「俺だ」と一声。了承の返事をすると扉から見知った赤褐色の髪が見えた。
『やぁ織田作』
織「体調は大丈夫か？」
『まぁ何とか。というか自分が起きているのに驚かないんだな』
織「途中機嫌の良い中原とすれ違ったからな」
「それで察した」と答える織田作の表情は何処か暗い。読めない表情に理由を尋ねようとすると、ふいに上へと移動する織田作の左手。目で追っていると、視界から外れた先ポンとAの頭へと着陸した。
織「痛いんだろ？」
『んー…まぁ…』
織「あまり無茶はするな。太宰が悲しむ」
『何でそこで太宰？』
織「気付いていないのか？」
目をぱちくりさせる織田。安吾も気付いているぞ、と付けたす織田になんだ自分だけ仲間外れかよとぷくりと頬を膨らませるA。
織「これから菓子を買いに行くからそれで勘弁してくれ」
菓子、その単語で何処に行くかは即理解出来た為、バームクーヘンが食べたいと言っておいた。龍頭抗争で親を失った孤児達の所へ向かった織田の背中は何時もと変わらなかった。
その後尾崎と中原が見舞いに来たが、まだ起きたばかりというのもあり早々に退散していった。空は先程よりも雲がかっており、雨が降りそうな気配を感じていると、携帯端末から着信音が鳴る。それは電話ではなくメールを報せる音。何の気なしに目を通す、瞬間、バッとベッドから起き上がるA。添付されていたのは拘束されている子供達と地図の写真。そして最後の一文
貴君とサクノスケ、どちらが我ら幽霊の魂を解き放してくれる？
この先に起きる出来事を予言し、段々血の気が引いていくのがわかるA。作戦立案など必要ない。自分がすべき事は１つのみ。バッと着替えると、自分の部屋にある唯一の窓を開ける。そして、先程よりも鈍色になった空へ…
飛んだ。
ーーーーーーーーー
映画特典の小説に殺されました。ちなみにAが双黒に出会ったのは、中也がポートマフィアに入った直後だと思っていただければ。文ストこわい。
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なに - 読みやすくて3作品夢中に読んじゃいました！すごく続きが読みたいです！一年前の作品ですがよければかいていただきたい！！！ (1月1日 23時) (
レス) @page34 id: 609d62ddb9 (このIDを非表示/違反報告)
三斗(トリップ願望者) - ぇ…終わっちゃったんですか・・・？続きかければ書いてください！絶対読みます‼ (2022年7月11日 22時) (レス) @page35 id: 9ad11557a3 (このIDを非表示/違反報告)
Rio - 無理はなさらずがんばってください！！ (2022年3月7日 22時) (レス) @page35 id: 663ca84b4d (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - 頑張って下さい!!更新待ってます (2022年1月22日 13時) (レス) @page35 id: 577366e2a2 (このIDを非表示/違反報告)
あの - 更新頑張って下さい！応援してます！ (2022年1月7日 19時) (レス) @page35 id: 347eae7089 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まっぽ | 作成日時：2018年1月8日 23時
