双黒を育てた次期首領(仮)幹部様の話 弐【文スト】

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『(結局一睡も出来なかったな…)』


森から急な仕事を任されたAは、部屋に戻りすぐ作戦立案を考えた。森はミミックで動かしているAの部下達を認知してか、森配下の構成員を数十人寄越してきた。それを踏まえての作戦立案を中也を介して部下達に伝える。
夜。任務決行から30分前。Aは、中也の運転する車で目的地へと移動を開始していた。



『はぁ…ココア…』


中「どんだけ飲みたかったんだよ」


『しょうがないだろ、もう口はココアになってんの』



むす、とご機嫌斜めな態度の上司に「後で飽きるほど淹れてやるから」と苦笑気味に答える中也。それに少し機嫌を戻したところに携帯のバイブ音。電話の相手を確認したAが、僅かに躊躇いを見せたのを中也は見て見ぬフリをした。



『はい、冲方』


太「やぁ兄さん。これからいつものバーに来れるかい？」



いつものバー。その一言で安吾と接触するという事は直ぐに予想できた。



『悪いな、今から仕事なんだ』


太「そう…今は移動中？」


『あぁ、中也の運転でな』


太「蛞蝓も一緒、ね…了解また後日内容は話すよ」



携帯を切る。本当は重要な任務でなければ行きたかった。確かにすぐにミミックの情報が手に入る、というのも行きたい理由の一つだが、恐らく今夜を逃すと、もういつものあの面子で呑む事はないと直感しているからだ。



中「着いたぜ」



作戦内容はこうだ。外へと繋がるありとあらゆる所に部下を置いた後、後方の中也と部下が内部へと突入する。そしてそれに逃げるように、一つだけ作っておいた逃げ口から出てきた残党を、前方で待機するAと部下が殲滅するというもの。
後方に移動した中也から無線が入る。どうやら全構成員が配置についたようだ。自分の無線を全構成員に繋がるように切り替える。



『……作戦開始だ』







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