思い想われ 中也side ページ3
幹部補佐、中原中也
これが今の俺の肩書きだ。そして俺が補佐している幹部、それは…
中「…報告は以上です。冲方幹部」
『ん…分かった』
今やこのポートマフィアで首領の次に影響力がある人物となった冲方A幹部、もとい兄さん。俺の最も尊敬し憧れる人物だ。今まで一度も仕事で失敗した事がない兄さん。なんだが…最近疲れが目に見えてとれる。それは異常に多い仕事量。それもここ数週間の話だ。
中「つーか此方に仕事回って来過ぎじゃねェの?あのクソ鯖に押し付けようぜ」
『んー?おぉ』
返事をしつつ、書類の上で万年筆を走らせる手は止まらない。机の端には煙草の吸殻が山のように積み上がっていた。
中「…なァ、兄さん。あんたいつ寝た?」
『んー…』
中「一寸此方向いてくれよ…」
『んー…?』
生半可な返事。いつもよりわざと大きな靴音を出して兄さんに近付く。が、一切眼を向けない。段々自分の中で苛々が募って行くのが分かる。机を挟んだ目の前に立つ。が、一向に此方に見向きもしない。アァもうダメだ。
刹那、ダァン!と机を叩く音が部屋に木霊し、Aの顎を革手袋をした手が捉える。瞬間、金色の瞳と蒼色の瞳がぶつかる。
中「…何だよその隈」
『あ〜…わかる?』
中「わかるに決まってンだろうが、」
中也の手が、顎から目元へと移動する。隈がある所を柔く撫でると、擽ったいのか笑みを溢すA。何かあったのかと聞くが別にと答える。
中「………太宰」
『ーーッ』
半分冗談のつもりで零した言葉に反応するA。そういう事にあまり頓着しない俺だが、此れは解る。
中「兄さんは、太宰の事ーーー」
其処で言葉が詰まってしまった。それを見計らったかのように兄さんの携帯から音が鳴る。ハッとしたように電話に出る兄さん。電話口はどうやら織田のようだ。
『あぁ……ん、分かった。自分も行こう。…はぁ、ったくそんなの気にするな。……すぐ行く』
電話を切った後、傍に置いてあった黒外套を羽織りながら扉へと向かう。
中「兄さん!」
『すぐ帰ってくるよ』
中「ッ待……!」
待てよ…!たったその一言を聞く間も無く出て行ったA。部屋に残された中也はただ一人扉を眺めるしかなかった。
中「何やってんだよ、クソ太宰…」
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中也の袖から革手袋にかけて垣間見える腕が好きです。文マヨ中也こない。何故。
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なに - 読みやすくて3作品夢中に読んじゃいました!すごく続きが読みたいです!一年前の作品ですがよければかいていただきたい!!! (1月1日 23時) (レス) @page34 id: 609d62ddb9 (このIDを非表示/違反報告)
三斗(トリップ願望者) - ぇ…終わっちゃったんですか・・・?続きかければ書いてください!絶対読みます‼ (2022年7月11日 22時) (レス) @page35 id: 9ad11557a3 (このIDを非表示/違反報告)
Rio - 無理はなさらずがんばってください!! (2022年3月7日 22時) (レス) @page35 id: 663ca84b4d (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - 頑張って下さい!!更新待ってます (2022年1月22日 13時) (レス) @page35 id: 577366e2a2 (このIDを非表示/違反報告)
あの - 更新頑張って下さい!応援してます! (2022年1月7日 19時) (レス) @page35 id: 347eae7089 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まっぽ | 作成日時:2018年1月8日 23時