もう1人のマイキー【東卍】

3話 幼なじみ ページ5

放課後



『けーいすーけくーん、あーそびーましょー』


有無を言わずに開け放たれる教室のドア。教室の中にいたのは数名の生徒たち。人数が少ない為、目的の人物はすぐに見つかった。Aの姿を見た瞬間、わなわなと震え始めた目的の本人や周りの視線などお構いなしに当人の前の席の椅子に座る。



場「〜〜〜っお前なぁ…！」


『相変わらずダッセーメガネ笑』



ぷぷぷ、と笑うと今にも手に持っているシャーペンを折りそうな勢いであるメガネをかけた少年。名を場地圭介。東京卍會壱番隊隊長でありAとマイキーの幼なじみでもある。いつもの場地ならここでAの胸ぐらを掴んでいるところだが、ここは学校。そして何よりも中学生でありながら留年をしてしまった場地はここで問題を起こすわけにはいかない。もう一度ぐっ、と堪え手元にある小テストへと向き直る。



『なんでこんな人すくねーの？』


場「あ？今日の抜き打ちテストで赤点取ったからその補習」


『ふーん…』



「つかAお前勝手に他所の学校来んなや」と言ってくる場地を軽く受け流し、補習用に用意された小テストをチラリと見る。どうやら国語の授業だったらしい。ふりがなのみ印字された横に漢字を書くスペースがある。場地は半分程までは記入できているが、その先が分からないらしく先ほどから腹でも痛めたかのようにうんうんと低く唸っている。



場「…A、気ィ散るからさっさと帰『ここ間違ってる』……あ？」



この漢字のここは突き抜けちゃダメだ、と教えるA。それに対してお、おぅ…と場地は素直に聞く。そして残りの漢字も答えを教えるのではなく、ヒントを小出ししていきながら進めていくとあっという間に小テストは全て埋まっていた。



『おーやるじゃん圭介』


場「やべー最後まで埋められたの初めてかもしんねぇ！」



いやマジか。と思ったが、あまりにもきらきらとした顔で「ありがとなA！」と感謝を述べるものだから、Aも次第に頬が綻ぶ。Aは場地のこの屈託のない笑みが大好きだ。それは今も変わらない。



『終わったんなら遊び行こーぜ』


場「おー、後ろ乗せてやるよ」



いいね！と頷けばそれを合図に教室を後にする。場地にとっても昔と変わらず接してくれるAの傍は居心地が良いらしい。多分これから先もAの隣には場地が、場地の隣にはAはいるのだろうなと2人は心の中で想うのだった。




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23巻で三途に落ちました()

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