３話 ページ3
部屋に入ってからどのくらいたったのだろうか。
部屋の外から母上が私を探す声が聞こえてきた。母上には悪いが私はこの部屋から出るつもりはない。こんなぐちゃぐちゃな顔を見せたくない。
「姉様？そこの居るのですか？」
レギュラスの声だ。
『レギュラス、私がここに居ることは黙っていてくれないか。』
「...なぜですか？」
『レギュラスは納得しないだろうが何でもだ。』
「中に入ってもいいですか？」
『...あぁ。』
そう答えるとドアの開く音が聞こえた。レギュラスが入ってきたようだ。
最低かもしれないがレギュラスの姿が兄上と重なって見え、ポロポロと涙がまた出てきた。
「姉様、泣いているのですか？」
『泣いてなどいないっ』
目から溢れ出てくる涙を見せまいと服の袖で目を擦ったが、レギュラスに止められてしまった。
「姉様、腫れてしまいます。」
『み、見ないでくれ。涙がっ止まらないんだ...』
「...姉様、」
ドンドンドンとレギュラスの声を遮るように扉が叩かれた。
「A！？そこにいるの！？」
『は、母上っ』
「母様、姉様はここにいます。僕が姉様を連れて行くので母様は先に準備をして下さい。」
「分かったわ。」
母上の足音が徐々に小さく、聞こえなくなった。
「姉様、こんなことを聞くのは野暮かもしれませんがどうして誰も使っていない空き部屋で泣いていたのですか？」
『そ、それは』
「
答えを言い当てられ思わずビクッと反応してしまった。
「やっぱり
『わ、私が悪いんだ。私が...』
「そうですか、クリーチャー！」
クリーチャーの名前を呼ぶとどこからか姿表しした。
「姉様に温かいタオルを持ってきてくれ。」
「了解しました、坊っちゃん」
「それじゃあ行きましょうか。」
『ああ』
兄上、いつか穢れてしまった私とまたあの頃のように愛してくれますか？
続く (更新停止中)
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作者名：春 | 作成日時：2022年7月25日 19時
