ブラック家の長女は純血主義者。 (ページ2)

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２話ページ2

目を覚ますと目の前に兄上の顔があった。何か言っているようだが昨日自分でかけた魔法のせいで何も聞こえなかった。枕元にある杖を手に取り魔法を解くと衝撃的なことを伝えられた。

「俺とA、二人ともホグワーツ魔法魔術学校に入れるぞ！」

兄上は嬉しそうに私をハグした。こうしてハグするのはいつぶりだろうか。

『離してください。』

兄上の胸板を押すがビクともしない。

『兄上！』

「なあ、Aは俺のこと嫌いか？」

母上と話しているときのような憎しみを持った声ではなく、触れただけで壊れてしまいそうなほど弱々しい声だった。

『“血を裏切る者”なんか大嫌いだ。』

“血を裏切る者”と聞くと兄上の腕の力が弱くなった。その隙に兄上を押しのけ自室から急いで出た。
誰もいない空き部屋へ入ると自然と涙が零れ落ちてきた。さっきのは真っ赤な嘘だ。

『兄上、ごめんなさい。シリウスごめんなさっ...ぅっうう...シリウス、許してくれ。』

本当は

『兄上、愛しています。例え私が闇の帝王に仕えたとしても、愛している。』