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冨岡義勇 ページ26
≪水柱 冨岡 義勇 視点≫
鬼がいなくなって
いただいた屋敷を出て自分の生家に戻った
両親も姉もとうの昔に死んでいるので
1人で畑仕事をしながら、時々くるお館様への依頼をこなしている
今日も朝から畑に出ていた
数ヵ月前に植えた大根がようやく大きくなってきた
「あのすみません、…」
俺は話すことが嫌いだ
ましてや赤の他人に話しかけられても対応できない
いつもは振り返ったりしない
でも聞き覚えのある懐かしい声だった
ここでは聞くはずのない声
声の主を見た瞬間やはりありえないと思った
昔とは違って
女物の寝巻きを着て、髪も胸まで伸びている
昔とは違う
でも、はっきりとわかる
「ひどい顔だな、漣」
「とみおかさ、ん…」
どうしてそんな泣きそうな顔をする
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作者名：りん | 作成日時：2019年11月19日 22時
