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上書き ページ21

≪漣 A 視点≫


授業が終わると嘴平くんは「約束、ぜってぇーだからな!」っと言い残し走り去っていった



天気が荒れる前に帰ろうと身支度をしていると



「煉獄さん?」



戸の隙間から顔を出していた煉獄さんと目があった

申し訳なさそうに手招きをして

「一つ頼みごとがあるんだが」

そのままついていくと
煉獄さんの屋敷の台所に案内された



「悪いな、父上が風邪気味で栄養のあるものを作りたいのだが、さっぱり」


「大丈夫ですよ。すぐに作りますね」


「材料は好きに使って構わない」という煉獄さんに遠慮せずに料理を進める


煉獄さんは自室に戻らず近くにある腰掛けに座ってじぃーと私を観察していた




「煉獄さん、味見をお願いしてもいいですか?」


「ああ、勿論!
卵がゆと、肉うどんか!いい香りだ」


「お父様には卵がゆ、煉獄さんと弟さんには肉うどんを。
…どうでしょうか?お口にあいますか?」


「上手い!上手い!!」


一口分しか渡してないのに
何度も美味しいと言ってくれる姿に笑みがこぼれる
不死川さんとは全然違う


「ふふふ、ありがとうございます。
喜んでいただけて嬉しいです」


ちらっと外を見るとどんよりと重たく黒い雲が広がっている

ああ、もうすぐ雨が降る



「煉獄さん、卵がゆと肉うどんは温めて食べてくださいね。
卵がゆは、明日の朝の分も作ってるので明日の朝よかったら食べてください。
では私はそろそろ」ドンっ!



帰ります、そう言ってここを去ろうとした

でも煉獄さんの両手に阻まれてしまった

背中には壁、左右には煉獄さんの逞しい腕
そして、目の前には息があたりそうなくらい近い煉獄さん


「あ、…あの、これは…」


まっすぐに見つめられると恥ずかしくて煉獄さんを見ることができない



「そんなに急いで帰らなくてもいい」


「でも、…不死川さんが待ってるので」


「不死川か…この首も不死川の仕業かな?」


「首?…首の跡ですか?それは、蚊に!んっ!」


私の首に噛みつきちゅうちゅうと吸われる


「ん、煉獄、さ、っん!ぁっ…」


「ずいぶんと可愛らしい声だな」



にやっと笑う煉獄さんに腰が抜けて座り込む


「な、なにを」


「上書きだぞ」


「…上書き?」


「ああ。上書きだ。
それよりA、先程の声がもっと聞きたい」


目線を合わせ、私のほほが彼の両手に包まれる

雨→←指切り



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作者名:りん | 作成日時:2019年11月19日 22時

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