水と風は～その後～ (ページ19)

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蚊ページ19

≪漣 A 視点≫

「不死川さん、今日は夕刻から天気が荒れます。
早めに帰ってきてくださいね」

朝、私よりも早く出かける不死川さんを玄関で見送る

「ああ」

少し驚いた顔で私を見てくる不死川さん

見た目は怖いけど、とても優しい人
口を横に広げて笑う顔だってとても素敵

「なら、お前も早く帰ってこい。
あと、首もと隠してけよ」

「首もと？」

ぶっきらぼうだけど、私のことも気にかけてくれる

不死川さんの言った通り首には蚊に刺されたような痕があった

こんな季節なのにまだいるんだ

首もとを隠しつつ、仕事にいく準備をする
今日も年下の子達に読み書きを教える

「Aちゃーん！！今日もおはよう！！
今日もとびっっっきり可愛いーーーーね♡♡」

「我妻くん、ありがとう」

「Aちゃん、今日は珍しく首巻きしてるんだー♡」

「そうなの、この季節なのに蚊に刺されちゃって」

「むふ♡照れてるAちゃんもかわいいーーー！！」

「やめろ、善逸。くねくねして気持ち悪いぞ」

「竈門くんもおはよう。
あれ？嘴平くんはもう教室かな？」

私が直接教えているのは嘴平くんだけだけど、
嘴平くんと仲がいいこの子達とも仲良くなれた

「あ、そうだ。
今日は夕刻から天気が荒れるからみんな早く帰るんだよ」

2人を残し嘴平くんがいる教室へ向かう