水と風は～その後～ (ページ12)

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よもやページ12

≪風柱不死川実弥視点≫

「茶でも飲むか」

買い物も一通り終えて甘味処で休憩をする
Aと横がけの椅子に2人で座る

「おはぎ8つとみたらし2本」

「ふふふ、相変わらずですね」

「は？」

一瞬、音が消える

「え、あれ…私、いま」

A自身も困惑している

「A…お前、い」
「よもや、よもや！不死川ではないか！」

空気を読まないこのばかでかい声

「煉獄…」

豪快に笑いながら近づく煉獄は俺のとなりのAに気付くと一瞬止まる

Aをじっと見つめ、その距離を詰めてくる

「あ、あの…」

その気迫にか、煉獄の距離の詰め方にかAは困惑する声を出す

「前から綺麗な顔だとは思っていたが、これは…なるほど！！」

どんどん近づく煉獄から逃げるようにAは俺の服をがっちりつかみ俺の方へ寄ってくる

「あのっ…」

「うむ、なるほど！！」

煉獄の鼻がもう少しでAの鼻に付く

「いーかげんちけーぞ」

2人の間に腕をいれ、そのままAを引き寄せる

「そうだな！不死川！
漣、すまない！！君は記憶がないのだったな！」

まだ距離がちけェー

「漣！俺の名は煉獄杏寿郎と言う！
少し前まで君や不死川と人のために働いていた！
今は屋敷で子どもたちに剣術や勉強を教えたりしている！」

俺のことを無視し、Aだけを見てる

「子どもが大いに増え、人手が足りなく、今は猫の手も借りたいのだ！
漣、もしよかったらまた共に働かないか！」

Aに向かって手を差し伸べる

「もちろん、賃金はしっかり払おう！」

「賃金！」

その言葉に反応して、煉獄の手を両手で力強く握る

「もちろんです！
ぜひ雇ってください！！」

「そうか！助かる！！」

握手をほどき、煉獄は俺に近寄り

「記憶がないのなら俺にも可能性はあるな」

そっと耳元でささやいた

にやっと笑い

「では明日から頼む！」

「はい！よろしくお願いします！」

煉獄を見送り

「不死川さん、やりましたよ！
これで不死川さんにお金を返せます！」

わーい、と喜ぶAとは違って
俺には不安しかなかった