耳元で歌わせて（赤）9 (ページ20)

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28日は御用納め

いつも部屋はちゃんとプロの人に掃除してもらってるけど

書類とか机とか自分でしかわからんもんを各々整理して

午前中でおしまい

｢良いお年を～｣って挨拶し合ってロッカールームへ向かう

荷物持ってロッカールームを出たら廊下の隅で

紗奈ちゃんと侑希ちゃんと話してるAちゃんがおった

何話しとんかは聞こえへんけど

Aちゃんが笑顔見せてるから

まぁ和解したんやんなって一安心

ほんでその様子を見るとはなしに見とったら

紗奈ちゃんがこっちを指指してAちゃんが振り返った

Aちゃんは俺を見つけてふんわり笑ろたら

紗奈ちゃんらに手を振ってこっちに向かってきた

ほんま俺の嫁さん可愛ええなぁ

って思いながら待ってたら

俺の視界を遮るよぉにヨコとヒナが立ちふさがった

｢ゲッ！｣って言うた俺の肩をヨコがガシッと掴んできて

｢あいつら二人も来るって｣

｢詳しい聞かせてもらわんとな｣

そう言うて悪い顔で笑ろてきた

｢そんなん言うてるけどヨコかてこの正月に琴音ちゃんの親に挨拶行くんやろ？｣

ヒナがぶっこんできよった

俺聞いてへんで？

いつの間にそんな話なってんな？

って俺が口開きかけたら

｢すっごい！ほんまなん？｣

Aちゃんが話に入り込んできた