耳元で歌わせて（赤）9 (ページ18)

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それぞれの席に戻ったら仕事を始める

何人かがAちゃんの顔見て
そん後に悔しそうに俺の顔を見とるけど知らんぷりした

今までかて仕事の手を抜いた事はあらへんつもりやけど

これからは俺の評価はAちゃんの評価になるから頑張らんと

そう思て気合いを入れる

年内に片付けんなん仕事はあらへんから

年明けて年度末に向けて少しでも楽に早く出来るように準備進める

パソコンを打つ右手首のお揃いの数珠が視界に入って思わず顔がニヤける

顔を上げてAちゃんを見ると左手首の数珠を撫でてた

その柔らかい表情に見とれてたら

不意にこっち向いたAちゃんと目が合った

にひゃりと笑ろで口パクで

｢し・ご・と｣

言うたら

Aちゃんはわかりやすく

ぷいって顔を背けて仕事再開した

そん顔があんまりにも可愛くて

俯いてにひゃにひゃしながらパソコン打っとったら

｢顔！｣言うて

課長にファイルで頭どつかれた

｢てへっ｣ってわざとらしいに笑ろてファイル受け取る

｢ほんま、よぉ今までバレへんかったなぁ｣

｢渋谷がこんなデレデレするタイプやったとはなぁ｣

って腕組んでマジマジと顔を見られる

｢さーせん｣

って頭下げたら

｢何なんその幸せオーラ｣

｢腹立つ通り越して呆れるわ｣

そう言うて笑ろてくれて

｢それ年内中にまとめといてや｣

って念を押されたから

ありゃま年内の仕事入ってもたって思いながら

｢へい｣って返事したけど

よぉ考えんでも明後日は御用納めの大掃除やん

って事は明日チェックもらうためには

今日中やんけ...