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「とーぶん縛りのある仕事はあらへんからAにお任せで」
そう言ってにひゃりと笑った彼は
感情のままに激しい人生を生きた鋭い目をしたあの人でなく
とても穏やかな子どもたちのパパへと戻っていた
いつだったか私とリモートを繋げて二人で笑い合いながら彼がキッチンばさみを使って自分で髪を切ったベランダに二人して椅子を運び出して準備をする
それから彼はシャワーで髪を濡らしてパンイチ姿で戻ってきた
余分な肉のまるでない絞ったとはとても言えない細すぎる体を見て
良くない事を想像してしまいそうで慌てて目をそらす
そんな私を下から覗き込んで彼が私に目を合わせてきたけれど私はそのまっすぐな視線を見つめ返す事が出来ずにギュッと目を閉じてしまった
目を閉じたままの私の頭を抱えこむように軽く抱きしめると彼の唇が私の閉じた瞼に触れて
「A？」
って彼の腕の中で愛し合う時を思い出すような低く掠れた声で名前が呼ばれ
「目ぇ開けて？」
って瞼に唇が触れるか触れないかの状態で囁かれ
その声に体の芯がキュッと音を立てたように感じてゆっくりと首を左右に振る
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作者名：UTA
| 作成日時：2021年9月11日 5時
