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♪♪♪
手の中でスマホが鳴った
ゆっくり目を開けると
オレンジ色に染まっていた部屋は
深い深い青へと変わっていた
いつの間に寝てしまってたんだろう
どれくらい眠ってたんだろう
体を起こすことも無く
電話に出ることも無く
画面を確認することも無く
電源を落としてスマホを放り出した
下にしていて痛くなった右半身を解放するように
寝返りをうつ
ベランダの柵の隙間から
すっかり夜になった空と
たくさんの灯りの漏れる窓を見る
あの灯りの中
みんな笑ってるのかな？
ケンカしてる人もいるのかな？
誕生日を祝ってる人もいるのかな･･･
あれ？
眩しくなんて無いのにまた泣けてきた
どれくらいそうしてただろう
今度は左半身が痛くなって
掃き出し窓の方を頭にして
ゴロリと大の字になる
広げた手にスマホが当たって
それを手に取ると
ひとつ大きく深呼吸してから
電源を入れる
夜の色に染まる部屋の中
スマホの画面が光を放つ
ロック画面は
彼が写した空
LINEのアイコンにはびっくりするくらいの数字
重なる着信の通知
どうしたらいい？
気構えもできないまま
スマホの画面を見つめる
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作者名：UTA
| 作成日時：2020年9月10日 19時
