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途中でケーキと食材を買って彼の家に向かった
彼の家に着いて
ドアの鍵を開ける
いつから来てないか思い出せない
久しぶりの彼の家
ドアを開けると
ふんわり香る彼がお気に入りのアロマの香り
廊下の突き当たりに見える掃き出し窓から
眩しいくらいに差し込む西陽
目を慣らすために
何度か瞬きを繰り返す私の後ろで
玄関ドアが大きな音をたてて閉まった
眩しさに少し慣れたら
脱いだ靴を端に寄せて
私はゆっくりと部屋の真ん中まで行って
そのまま床にペったりと座り込んだ
「きたなないわ」
「散らかってんとちゃうねん」
「ちょっと人より物が多いだけやねん」
口をとんがらせながら
そんな言い訳をして
散らかった雑誌を重ねる彼に
呆れた視線を送って
「服はソファーカバーじゃないでしょ」
ってツッコミながら
ソファーに重なるように置かれた服を畳む
そんな時間が
たまらなく好きだった
物に溢れてて
散らかってるのに
何故か落ち着く
そんな部屋と時間を思い出しながら
ぼんやりと夕陽を眺める
涙が出るのは
夕陽が眩しいから･･･
立ち上がれないのは
仕事で疲れてるから･･･
エコバッグの中の食材をそのままに
床に倒れ込む様に
夕陽に背を向けて横になった
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作者名：UTA
| 作成日時：2020年9月10日 19時
