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全部の準備済ませてリビング戻ったら
Aちゃんが弁当作ってくれとった
「昨日の残りもんやけど」
そう言いながら手渡された猫の柄のトート
「ありがとぉ」
そう言うて受け取って
「できるだけはよ帰ってくるな」
「何かいるもんあったら帰りに買うて来るしLINE入れといて」
「Aちゃんは一人で買い物行ったりせんとゆっくりしとかんとあかんで？」
そう言うたら頷いてくれた
けど
「旅行の準備済ませとくね」
って
「えっ？」
「旅行？」
って俺が言うたら
「明後日出発やし」
「今日準備して明日足らへんもん買いに行かんと」
って
「えっ？無理やろ？」
「てか旅行キャンセルしたで？」
って俺が言うたら
「なんで？」
「なんで勝手にそんなことするん？」
って声こそ小さいけど
俺を咎めるように言うて来るから
カチンときてもて
「勝手ってなんやねん」
「Aちゃんが入院しとったでやんか」
俺がキレ気味に返したら
「先生にもちゃんと聞いたもん！」
「私が！」
「私がどんな気持ちで行くこと決めた思てるん！」
ってそう叫ぶように言うたら
俺の胸に封筒を押し付けてきた
Aちゃんがスゴい決断した事なんかわかってるわ
けど
Aちゃんの体が大事やん！
「遅刻するし行くわ」
「今日は大人しいしとけよ」
時間が迫っとんもほんまやけど
これ以上ここにおったら傷つけてまうだけの気がして
そう言い残して家を出た
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作者名：UTA
| 作成日時：2020年3月4日 19時
