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結局いっつもより一本遅い電車乗って偶然座れたから
さっきAちゃんから押し付けられた俺宛ての封筒を開封する
それは旅行するにあたっての病院の先生からの注意事項やった
最後に
『入院当初からどうしてもこの旅行にだけは行きたいと繰り返し訴えておられました』
『何度かお止めしましたが理由が理由ですのでこちらから禁止する事はできませんでした』
『全く問題が無いわけではありませんが無理のないように気をつけて行ってきてください』
そう締め括られていた
電車降りて会社に向かって歩きながら
Aちゃんの叫び声が頭ん中でずっと繰り返し聞こえてきた
傷つけるつもりなんかあらへん
それはほんま
けど
元から大きな声なんて出さへん
じゃれるように怒ることはあっても
ほんまの自分の気持ちには直ぐ蓋して我慢してまうAちゃんが
あんなにも訴えてきたのに
俺は
俺はどんな顔してAちゃんが言うてたか分からへん…
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作者名：UTA
| 作成日時：2020年3月4日 19時
