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俺の苗字は昔おかんが再婚した相手の苗字で
その人にはええ思い出ってのはあらへん
って言うか
ある日突然昨日までとは違う名前になった
そう言われても理解出来んくて
どおしてええか分からへんかってん
今にして思えば
当時のあの人は今の俺より全然若かったし
「おとんと呼べ」とか言うたんかって
精一杯家族になろうと努力してくれてたんやと分かる
ただ
あの人と俺は家族として縁が無かったんやと
ただそれだけの事やとは思う
けど
何も無かったことにしてしまうのは
あの頃の泣きたても泣かれへんかった俺が可哀想過ぎる気がすんねん
そんな話を
酔うた勢いを借りたふりをして
隆平に聞いてもろたんはもぉ何年経つかも分からん程前のこと
でもその日を境に隆平は俺の苗字を公的なとこ以外で呼ぶ事は無くなった
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作者名：UTA
| 作成日時：2020年1月30日 7時
