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Aちゃんはまだ涙を流し続けとるけどずっとこぉしとるわけにも行かへんから
スマホに『着替えて病院行こ』って打って見せたけど反応せぇへん
パジャマ代わりのスエットのワンピとレギンスやからもぉこれでええか
こんな状態のAちゃんから離れるんはあかんとは思たけど
生理現象には逆らえず急いで下おりて
トイレと歯磨き済ませてまた急いで二階に戻る
熱めのお湯で絞ってきたタオルでAちゃんの顔を拭くけど
なんも反応せぇへんとされるがまんま
もぉ涙も止まってるんが逆に心が壊れてもたんちゃうやろかと怖くなる
俺はスエット脱いでセーターとジーパンに着替えて
Aちゃんの脇に手ぇ突っ込んで無理矢理立たせると
抱え込むようにして階段をおりる
リビングに置いてあったストールをぐるぐる巻きにしてから
Aちゃんの鞄掴むとAちゃんを車に乗せた
慌ててエンジンかけたけど
どこの病院がええんやろ？
分からへん･･･
左手はAちゃんの右手を握ったまんまやし
右手は指先が震えてもぉててうまく打たれへんかったけど
何とか六人のトークルームにヘルプを送る
頼むお願いやから
智衣ちゃんか琴音ちゃん気がついてくれ
そう祈りながら右手でスマホを握りしめとったら直ぐに既読が4になった
それだけで気持ちが楽になる
『私も直ぐに向かうからうちの病院へ』
智衣ちゃんからそれだけ送られてきた
俺は左手を離すとその手でAちゃんの頭を撫でてから急いで車を出した
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作者名：UTA
| 作成日時：2019年11月2日 17時
