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Aちゃんはそんな俺に反応することもなくて
｢Aちゃん？｣
俺の手の中で怖いくらいに震える指先をしっかりと握ってもう一度声をかける
忙しなく視線を泳がせてたAちゃんの瞳が俺の口元で止まったと思ったら
｢･･･聞こえへん･･･｣
｢すばるくんの･･･声･･･も･･･｣
Aちゃんはそぉ呟いて自分の左耳を塞いだ
俺は言葉の意味を理解できひんと
ポロポロと涙を流し続けるAちゃんを見とったけど
やっと頭ん中で回線が繋がった
とりあえずスマホを手にして
片方の手は繋いだまんまで
会社ちごて部長に直接電話を掛ける
今日は二人共休ませてもろて病院行ってくるって伝えたら
結果が分かったら直接返事くれって言われた
めんどくさい事言わへんと
『とりあえずちょっとでも早よ病院行ってやり』
って電話を切る前に言うてくれたから
見えへんのなんか分かってるけど頭下げてから電話を切る
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作者名：UTA
| 作成日時：2019年11月2日 17時
