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俺は点滴の刺さってへんAちゃんの右手を握って
あいてる左手でAちゃんの頭をそっと撫でる
ゆっくりと顔を俺の方に向けたAちゃん
いっつもやったら運転ん時くらいにしか座らんAちゃんの右側
そこに自分が座ってる事に気がついて
現実がまた俺を襲ってきた
その恐怖を振り払うように
慌てて笑顔を貼り付ける
さっきの看護師さんやったら何点をつけてくれるかな
そんな事をふと思った
二人とも何も話さへん
静かな静かすぎる時間が流れる
薬が効いてきたんかAちゃんの瞬きがゆっくりになってきた
俺は頭を撫でてた手を止めて
左手でぎこちなくスマホ操作して
「寝てええよ」って打ったんをAちゃんに見せる
Aちゃんはその画面を見て唇噛み締めて小さく首を横に振る
その目にはあっという間に涙が溜まってきて
あぁ眠るんが怖いんや
そう思ったから
チュッと目尻に一つキスした後
触れるだけのキスを唇に落とした
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作者名：UTA
| 作成日時：2019年11月2日 17時
