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手をおろしてドアへと向かいかけた俺を見た瞬間
看護師さんは廊下まで出てきて俺の前に立ったら
「本人が一番辛いけどおんなじ位見とるしか出来ひんあなたも辛いね」
って優しい声で言いながら
両手でさっきまで俺がしとったみたいに俺の腕を摩ってくれた
「怖かったね」
「けどお願いやから無理してでも彼女の前ではドンと構えといてな」
そう言うて
「傍におったげて」
って笑いかけてくれた
その優しい笑顔とあったかい手のひらが嬉しいて
俺は看護師さんに向こて大きく一つ頷いて歪んだ笑顔を見せた
「その笑顔では30点やなぁ」
って俺の肩をペシッと一つ叩いて先に入ってって
俺も看護師さんの後に続いて病室に戻った
ベッドにはピンク色の作務衣みたいなパジャマに着替えたAちゃんが座っとって
その色と少し大きめのサイズのせいか
借りてきた感満載で
思わず笑みが溢れた俺を見た看護師さんが
「100点」言うて笑ってくれた
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作者名：UTA
| 作成日時：2019年11月2日 17時
