295 ページ29
その笑顔のまんま
｢お兄ちゃんが･･･｣
｢『Aお前ええ加減迎えにこいや』って｣
｢きっと･･･私になんべん言うても聞こえてへんみたいやから
今度はすばるくんに言うたんやわ｣
そぉ言うて俺の手をキュッと握ってくれた
俺はまたAちゃんの強さに助けられて
｢そっか･･･｣
としか言われへんかった
｢天国ってこっちと右と左が逆なんかなぁ｣
俺の手を引っ張って歩き始めたAちゃんが
突然そんな事言い出した
｢へっ？｣
｢なんで？｣
俺の抜けたよぉな返事聞いてAちゃんが
｢お兄ちゃんが私に言う時
『俺ここにおんねんけど』
って聞こえへん方の耳にばっか言うたんちゃうかなぁって
そぉ思たん｣
真面目な顔してそんな事言うから
｢お兄さんって子供ん時から
Aちゃんの右側ばっかおっちゃったやん？
やからいっつもみたいに右側に立って言うちゃったんちゃう？｣
俺がそぉ言うたら
｢なるほどねぇ｣
｢すばるくんって賢いな｣
そぉ言うて右手で俺の頭をぐりぐりと撫でてくる
｢やろ？｣
｢すばちゃんは褒められて伸びる子やからもっと褒めてもええんやで？｣
って俺が笑ろたら
｢そやった！｣
｢偉い偉い｣
そぉ言うてAちゃんは笑ってまた俺の頭を優しく撫でてくれる
けどその手は可哀想なほどに震えてた
これからも
きっと大変な事ってあると思うねん
その大変な事こそ
二人でなんてことあらへんよぉに変えて
一緒に乗り越えてけたらええなぁと思った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 243人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
UTA(プロフ) - めちゃさん» 私の中でヒナちゃんと彼女さんは大切な人の為なら自分が傷付く事も厭わない強さを持っていてヨコちゃんと彼女さんはは大切な人をまるまる受け止め包んであげれる強さを持った人です。その所をうまく書けたらと思っています。受け止めてくだって本当に嬉しいです。 (2019年8月30日 17時) (
レス) id: 916009774d (このIDを非表示/違反報告)
UTA(プロフ) - めちゃさん» コメントありがとうございます。何故か今日のコメントと一緒に表示されて返事が遅くなってごめんなさい。進む道は一つでは無くて正しい事が正解とは限らなくて...思う事は色々あるけど少しでも彼らが心穏やかに自分達の道を進めたらいいなぁと思います。 (2019年8月30日 17時) (レス) id: 916009774d (このIDを非表示/違反報告)
めちゃ(プロフ) - こんにちは、今朝は早朝から仕事で読まずに今読みましたが泣かされました。ステキな智衣ちゃんの言葉明日も楽しみにしてます (2019年8月30日 13時) (レス) id: 4322b64262 (このIDを非表示/違反報告)
めちゃ(プロフ) - おはようございます、進む道は分かれてしまったけどこの先も三馬鹿がこんな関係でいてくれたらなって思う朝でした。 (2019年8月26日 9時) (レス) id: 4322b64262 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：UTA
| 作成日時：2019年8月21日 6時
