終焉の恋 【エルヴィン】

8.★破滅的な恋心☆ ページ9

・






“チュン…！チュン…！”






耳元で小鳥の声がした







薄目をして周りを見渡すと雀が
羽を少し痛めていた






私は起き上がり、雀をそっと手の平に乗せる



好奇心旺盛で私にそっとなついてくれる




『ありがとう…私と同じだね…』






私と同じで…傷が付いている…



私は…心を……





とりあえず、雀に餌をあげようと廊下に出る









“ふふっ”






誰かの楽しそうな話し声がする






声のする方向へ行くと




エルヴィン団長とヒカリが喋っていた





思わず私は壁沿いに隠れる





「相変わらず美しいね、ヒカリは…愛しいよ」







…愛しい…






胸がチクチクする…痛い…







「あはは、ありがとうエルヴィン！
私も…大好き…！！」






あ……タメ口…使って……




胸の鼓動が全身に聞こえてくる




…ドクン…ドクン…ドクン…ドクン…





苦しくなる…押さえつけられた様に…








胸が痛みながら二人を見ていると…







「ふぅ…あっ…エル…ヴィン…！！」









ヒカリ………







“キス”…しているの……？







“チュンチュン！”







『〜っ！！』





雀の声で私は我に返り、部屋に急いで戻った








私の恋は…








終焉になってしまうのだろうか…

9.★雀と私☆→←7.★悪夢☆

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す