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34話 ページ36

「あーあ、何やってんだろう、ぼく…」


1人で調べ物をしてたとき、あの日誌を見つけた。
杉石さんの事故…それに、学校の対応。
そりゃ怒るよね。


グラン・ユーフォリア後、ぼくは夜の屋上に寝っ転がって考えていた。

開演前、先生とひかりちゃんが話してるのを聞いちゃった。杉石さんは、グラン・ユーフォリアを復活させられずに亡くなった…
それに、学園はグラン・ユーフォリアを白紙にした。
それじゃあ、杉石さんは最初からいなかったことになる…

それを無意識に感じたからなのかな、ぼくはあの日誌を読んで涙が止まらなかった。
それは、ぼくが念願の収録前に死んでしまったからかもしれない。


先生の部屋に乗り込んでいった話を後から聞いたけど、蛍ちゃんもあれを見つけたのか…
凄い執念だよね。

まぁ、最終的にグラン・ユーフォリアは大成功。
ぼくも見られなかった景色を見れて良かった。

ひかりちゃんと…みんな。学園のみんなで作り上げた景色は、ぼくが今まで見た中でも最高のものだった。

ぼくは直接関わらずに、傍観者としていたけれど、
もしかしたら、ぼくはこれが見たかったから参加しなかったのかもしれない。


ぼくは涙を流して、昔のことを思い出して歌を口ずさんだ。
ぼくのユニットの…ぼくたちの曲を。




翌日、この屋上でひかりちゃんと会った。
彼女はしばらく黙っていたが、ようやく喋り始めた。


「榎本くん、グラン・ユーフォリアの前は…ありがとうございました。」

「ぼく、何かしたっけ?」

「榎本くんがいなかったら、私はあそこで折れてたと思います。本当にあの後、皆で乗り込むことになって…しってたんですか?」

「あはは、それは嘘。適当に言っただけだよ。」


本当にありがとうございます。そう彼女は言うと、オーディションの練習があると言って校舎内に戻っていった。

グラン・ユーフォリアを大成功させた彼女は、とてもいい笑顔をしていた。


ぼくは、綻ぶ口元をきゅっと引き締めると、今のユニットの曲を歌った。

『Lie or Truth』の。榎本Aの曲をだ。


いつの間にか、頬には涙が伝っていた。

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マグロ隊長 - 亜紀さん» 読んでいただきありがとうございます!続編というか、ただこの夢主ちゃんで恋愛的なのを書こうと思っただけなんですけどね…笑椿くん良いですね!これから考えてみます(^_^*) (2018年11月6日 23時) (レス) id: ff77c9afb9 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀(プロフ) - 私は個人的に椿が好きなので絡ませて欲しいなと(((殴、コホン…なんでもありません。最後になりましたが応援します、頑張ってください!! (2018年11月6日 18時) (レス) id: 65d880c966 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀(プロフ) - 最後まで読ませていただきました。いやぁ、私結構僕っ子好きなんですよね、だから嬉しかったですよ夢主が僕っ子で!続編?書いてくださるんですか!?ぜひ読ませてください!! (2018年11月6日 18時) (レス) id: 65d880c966 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マグロ隊長 | 作成日時:2018年9月28日 1時

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