あげない49 ページ5
「Aさあ、前ここで俺に歌ってくれたよね」
「そんなこともあったねえ……。あの時が寝ている凛月君を蹴っちゃってそれのお詫びで歌ったんだよね、子守唄代わりだったかな?」
くすくすと笑う私。
凛月君は表情を変えない。
「さっきなんかの小説が映画化するって聞いた」
「うん。私もそれ嵐ちゃんに聞いたよー」
私は次の言葉を待った。
きっと彼はこんな話に来たんじゃない。
本題はこれじゃない。
「その映画の主題歌を歌うのが人1、なんだって」
「そうなんだ」
知らないふり、目を背けることを選んだ。
凛月君はぐっと唇を噛んだ。
なんで、君がそんなに痛々しい表情をするの。
「ねえ、もう、分かるでしょ。俺の言いたい事」
それでも私は知らないふりを選ぶ。
小さく微笑み、首をかしげた。
凛月君がゆっくりと口を開く。
ねえ、お願いだから。
そんな顔をしないで。
「Aが、Aは、人1、なんでしょ……?」
風が通り過ぎて私たちを撫でていった。
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ゆうくんのストーカーのストーカー - す、すごいとこで止めるじゃねぇですか...面白いです!更新頑張ってください!無理の無い程度で良いので! (2018年4月8日 6時) (レス) id: c392d9b03c (このIDを非表示/違反報告)
凖様大好き - 面白かったです!続き待ってます。 頑張ってください! (2017年8月4日 14時) (レス) id: 3dc5b5c194 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しらうお。 | 作成日時:2017年3月21日 0時