苦労の記録１５０ ページ4
「やるじゃねえか、お前らだけで捕まえるなんて。」
相も変わらず給湯室で志賀と書類仕事片手にだべっていると、仕事終わりの中也さんが入ってきた。
お疲れ様ですと、志賀が中也のコーヒーを差し出す。
「いや〜爆弾のこともあったし、成り行きって感じですよ……。」
「異能も持ってなかったみたいですしね〜。」
そう、戦って倒したわけでも、緻密な計画のうえ知略で追いつめたわけでもない。自爆ゆえに正体が露見したところを抑えただけだったため、私と志賀は素直に喜べなかった。
しかし、上の見解によると、案外そうでもないらしい。
「一般人に被害を出さなかった点も評価されてンだと。大手柄だ。」
「ああ、なるほど、そういう面で……。」
軍警のつけいる隙を失くしたと考えれば、確かによくやった方な気もする。
「それに、なんというか……高橋、お前、何したんだ？」
「え？」
突然の名指しに、顔を上げる。しかし特に心当たりはなく、視線で中也さんに続きを促すと、
中也さんは、やけに言葉に詰まりながら説明した。
「今、柏木雪也の尋問が進められているんだが……、」
「はあ。」
「拷問の暇なくするする全部喋ってくれてるらしい。」
「「あー……。」」
志賀と私で、納得といったようにうなずいた。
あの雪也のことだ、彼の所有する軍事会社への執着はないんだろう。情報を惜しみなく吐いているだろう雪也を想像して、復讐のために彼の手で踊らされた哀れな軍事会社の部下に少し同情した。
「いや、なんでも、……高橋のために自爆を止めたんだって？」
「んゲホッ、」
思わぬ不意打ちに、飲んでいたコーヒーが気管に入ってせき込んだ。
そこんとこ話すんかいお前！そんなことマフィアの黒服相手に話したのかお前！
「Aに問い詰められたから全部話すだの、Aには死んでほしくないだの。とにかくお前の名前を出してるらしい。」
「……殺そうかな……。」
「殺していいと思います。」
志賀が同調してきた。
「誤解……誤解です、私が雪也先輩の、……、いや、……」
私が彼の妹に似てるから情を抱いたんです、と言おうとしたのをすんでのところで止めた。雪也先輩の重苦しい身の上話まで出してしまうのは、仁義に反する気がしたからだ。
「なんだよ。」
「えーと……。」
しかしそこをぼかしてどう誤解を解けばいいのか、しどろもどろにする私の肩に、ぽんと手が置かれた。
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黒灰白有無％(プロフ) - 創作伽羅が出て来るのは余り読まなかったのですが此の創作伽羅達2人と夢主は超好きです,物語も本当に好みのモノで大好きな作品です！！原作沿いの続きも楽しみにしてます！！気が向いたらで構いませんので更新仕手下さると嬉しいです！！是からもずっと応援しております (9月28日 4時) (
レス) @page16 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - 初めまして。凄く面白くて好きです！続き待ってます！！！ (9月25日 4時) (レス) @page16 id: 872e19f483 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 一気に読んでしまいました！とても面白く、太宰さんが冷酷という設定は珍しくオリキャラも非常に好きです！先の展開が待ち遠しいです。これからも頑張ってください。勝手ながら応援してます！ (9月10日 2時) (レス) @page16 id: 4386aff6fa (このIDを非表示/違反報告)
朱雨 - 大好きです。僕の文スト夢傑作集に新しく入るほどまっっじでおもろいです。どうやったらこの好きさを伝えられるか……更新待ってます! (7月14日 13時) (レス) id: c4ce57e384 (このIDを非表示/違反報告)
ｱｵﾘﾝｺﾞｱﾒ - めっちゃ好きです！これからどんな展開になっていくのか楽しみで仕方がない…太宰さんがどう変わっていくのか気になりすぎてうずうずしてます笑更新待ってます！！ (7月9日 11時) (レス) @page16 id: 276a6da939 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メガネ第2号 | 作成日時：2022年8月28日 5時
