苦労の記録116 ページ16
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「如何だよ、初の学校生活は」
ぐだーとソファに寝転がる私を見て、笑いながらアイスココアを入れてくれる中也さん。報告書を提出した後、給湯室に寄ってみたら丁度居たのだ
『もう、最悪ですよ…』
コツ、とマグカップが置かれた
珈琲を飲みながら中也さんが向かい側に座る
「つっても、手前勉強とか出来んのか?」
『ああ、それは楽勝ですよ』
“向こう”じゃあ偏差値高い所行ってたんで、という言葉は飲み込んだ
「スラム育ちなのに偉いこったな」
『…勉強を教えてくれる人が居たもので』
「そーか、じゃ志賀は?」
彼奴か…と顔を顰める。
『…勉強はまぁ出来るらしいですね。人間関係は阿呆みたいに疎いですけど』
彼奴は学校という場での過ごし方を全く知らない。まぁ、裏社会に住んでたら学校の人間関係なんて小さく見えちゃうんでしょうけど
『…彼奴なんかいじめられろ』
ボソリと中也さんに聞こえるぎりぎりの声で呟いた
「彼奴って僕の事です〜?」
『どわあああああア゙ア゙ア゙ア!!』
仰向けに寝転がる私の顔を上からいきなり覗き込んできた志賀にとんでもなく驚く
驚きのあまり向かい側の中也さんが座っているソファに飛び乗った
「うお、おい零れる!」
中也さんが珈琲が零れると言ったがそんなのどうでもよし。
「よお志賀」
「今晩は、中也さん」
にこりと会釈をした志賀に軽く殺意を覚える
何故此処にいる早う帰れ
思いをそのままに睨み付けると、志賀はそんなの知らぬかのように私に話しかけて来た
「あ、Aこれ」
『は?…ああ、弁当箱ね』
「セブンイレブンですね、ご馳走様でした」
『五月蝿い黙れコンビニ弁当をなめるな』
コンビニで買った弁当の具材を詰めただけと志賀には分かったらしい。そんな事一々云うなよ仕方ないだろ料理出来ないんだから!!
「にしても怪しまれねーのかお前ら」
『何がです』
「Aが女かどうかじゃないですか〜」
スパァアンと頭を叩きたかったが避けられた
「違ェよ、両方年齢高校生じゃねェだろ」
『ああ、私13にしては背が高いので。』
「僕もですかね」
故に誰も私達が歳下だとは気付かない。
中也さんのようなチビとは違うのだ
「…そーかよ」
『文化祭に向けて色々始まるらしいですよ』
浮かれたムードに敵さんもボロ出すかもしれませんね、とにこやかに告げた
───明日も学校という生活に、何とも言えない懐かしさを感じた
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メガネ第2号(プロフ) - かえる。さん» 返信激遅でごめんなさい、更新しました!コメント励みになります、遅筆ですがぜひ最後までお付き合い下さい。 (2022年8月28日 6時) (レス) id: 652442107f (このIDを非表示/違反報告)
かえる。(プロフ) - やったー!更新してる!(≧▽≦) (2022年5月24日 21時) (レス) @page46 id: 06d9623eb5 (このIDを非表示/違反報告)
メガネ第2号(プロフ) - 望務さん» ひい!!嬉しいです。文章少し長くなったりしてうざったいかもしれませんが頑張って書きます!ありがとうございます! (2022年5月24日 20時) (レス) id: 5b50776276 (このIDを非表示/違反報告)
メガネ第2号(プロフ) - 紺さん» 前々から読んでいてくれていたんですね!出戻り嬉しいです、本当にありがとうございます!コメント励みになります、頑張りますね! (2022年5月24日 20時) (レス) id: 5b50776276 (このIDを非表示/違反報告)
メガネ第2号(プロフ) - 小夜子さん» 返信遅くなってごめんなさい!コメントありがとうございます、他の作品も読んでくれているようで凄く嬉しいです!文スト4期公開楽しみに頑張ります! (2022年5月24日 20時) (レス) @page46 id: 5b50776276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メガネ第2号 | 作成日時:2018年7月3日 4時