苦労の記録115 ページ15
*
【一、芥川ノ激シイ拒絶ノ為、太宰幹部直々ニ説得ス】
【一、故ニ芥川ノ潜入ヲ一週間延バス】
何とも淡白な文章が並べられる画面に、私達は苦い顔をした
芥川がこの潜入を拒否するのは何となしに分かっていた事だったのだが
太宰さんの説得かぁ…と頭を抑えた。あの太宰さんの直接の説得だぞ?あの太宰だぞ?
「芥川って人は…生きて来られるんですかね」
『…さぁ?』
一週間後、私達が包帯だらけの芥川と対面する事になるのはまた別の話である
「てゆうか、此処学食有るんです?」
弁当とか持ってないんですけど、と聞いてきた
『学校案内パンフレットにも書いてあったでしょ、確かカフェテリア行けばあるよ』
メニューも豊富だったし、行けば?と促す
しかし志賀は何とも浮かない顔をしている
どうしたのだ、何があった
「…誰かと食べた方が良いんですよね…」
…あーーーーーはい、はいはいはい、それね?
そうだよね、そうだよね
カフェテリアでぼっち飯は確実に浮くな
『…誰かいないわけ』
「居ませんね〜…」
『じゃあもう今日は我慢しろ』
「ですよね」
詰まり今日昼は食べないという事で決まった
まぁ昼くらい大丈夫だろ、いつも此奴が御飯如何してんのか知った事ないけど
仕事内容の連絡もしたし、もう大丈夫だろと思って私は書庫室を出ようとする
『いい?5分くらい後に出てよ』
そう言って忠告をした
「は〜い」
呑気そうに返事をして手を振る志賀を後にして、書庫室を出た
つかつかとお弁当箱を持ちながら一人になれそうな所を探す。私が何故お弁当箱を持ってるかって?そりゃ私は学校行ってたんだから、昼飯の存在くらい覚えてます
ピタ、と足を止めた
『私今日お腹すいてないんだよな…』
*
昼飯無しという現実に少しショックを受けつつも、書庫室で意味も無く外を眺める
明日からは食べれるよう友達を作ろう、必ず。
面倒じゃない奴がいいな、誰かいたかな
ふわふわとクラスの奴を何となく思い出す
突然ガラリと扉が開いた。先程出ていったばかりのAじゃ無いなと思ったらAだった
『…今日お腹空いてない』
「え」
ポイ、と投げてきたのはシンプルな弁当箱
真逆と思って顔を上げた頃にはAはもう書庫室を出ていった
暫く呆然としながらも、パカ、と弁当箱の蓋を開けた。色とりどりの食べ物が綺麗に詰まっていた
「…絶対セブンの弁当詰めただけだな」
※正解
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メガネ第2号(プロフ) - かえる。さん» 返信激遅でごめんなさい、更新しました!コメント励みになります、遅筆ですがぜひ最後までお付き合い下さい。 (2022年8月28日 6時) (レス) id: 652442107f (このIDを非表示/違反報告)
かえる。(プロフ) - やったー!更新してる!(≧▽≦) (2022年5月24日 21時) (レス) @page46 id: 06d9623eb5 (このIDを非表示/違反報告)
メガネ第2号(プロフ) - 望務さん» ひい!!嬉しいです。文章少し長くなったりしてうざったいかもしれませんが頑張って書きます!ありがとうございます! (2022年5月24日 20時) (レス) id: 5b50776276 (このIDを非表示/違反報告)
メガネ第2号(プロフ) - 紺さん» 前々から読んでいてくれていたんですね!出戻り嬉しいです、本当にありがとうございます!コメント励みになります、頑張りますね! (2022年5月24日 20時) (レス) id: 5b50776276 (このIDを非表示/違反報告)
メガネ第2号(プロフ) - 小夜子さん» 返信遅くなってごめんなさい!コメントありがとうございます、他の作品も読んでくれているようで凄く嬉しいです!文スト4期公開楽しみに頑張ります! (2022年5月24日 20時) (レス) @page46 id: 5b50776276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メガネ第2号 | 作成日時:2018年7月3日 4時