死後、第２ステージは横浜で。

死後のレポート１７ ページ17

芥川先輩は数メートルぐぉおっと吹き飛んだ。
や、やった…！！使えた…！マジで使えた…！！
有り難うございますポッ〇ー様…！見といて良かった！！

呪文を覚えていた事と異能が使えた手応えに感動していると、芥川先輩がピク、と動き出した

嘘だろ？！もう動けんの？！流石マフィア…！


「貴様、その異能は何だ…！！」
『…ッ教えるわけ、無いでしょ…！』


最初の設定のまんまミステリアス女を演じる
くそ恥ずかしい、いっそ殺せ
つかまず私もこの異能よく分かんねぇから！


取り敢えず…


『(逃げる！！)』


ﾀﾞｯという音を出して駆け出す
後ろから待てだのなんだの聞こえたがそんなのは無視だ。取り敢えず足を高速回転させる


『…ッは、…は…！』

息が上がる、そりゃそうだ、マフィアの遊撃隊隊長と一戦交え、走ってるんだからな

どうするどうする？！このまま家…？！
でもどうせ突き止めて…！いや！！

神の手紙には安全な家と書いてあった…！
しかも戸籍も無い私の家、つまり…！


『…ッ特定は、されないように補正してあるって事、か…ッ！』



息絶えだえに結論を出す
そうと決まれば行くべき場所は一つ、
自宅のみ！！早く帰る！！
足をさらに速める



後ろから追手が来てないか時々気にするが、今の所来てないようだ







───ｶﾞﾁｬﾝ!!

『…ッ着いたぁ〜〜…！』


ズルズル、というように玄関先に崩れ落ちる
家は安全ってわけか…良かった。



数分使って動機と鼓動を静めさせる
…だいぶ冷静になってきた


『今日は最ッ悪…！！』

家の中を足音を立てて歩き、キッチンからカップラーメンを取り出す。3分の間にスマホをいじる。日常生活をしないとどうにも落ち着かないのだ、芥川からの襲撃の事を受けとめる為にもこれしかない。


ご飯も食べて
シャワーを浴びて
寝巻きに着替えて

ベッドにダイブ


『ッあーーーー…疲れた…』

ほんと、なんでこんなに…
私がマフィアに入れられたスパイの親族ぅ？
親も居ないのに何よそれ、絶対何かの手違いでしょ、あーほんと有り得ない。明日は散歩でもしよ、普通家に籠るだろって？やだな、日曜日だよ？外出なきゃもったいねぇ





考えている間にも瞼は落ちてくる
ああ、もう眠い、寝てしまおう






『…おやすみ…』

誰も返さない、誰もいない空間に期待を込めた挨拶をして。

そうして私は意識をシャットダウンした









明日どれほど大変な事になるかは、
この時の私はまだ知らない

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