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苦労の記録6 ページ6

黒いスーツ、包帯、蓬髪…
私が幾度も紙面越し画面越しに見たそのままの服装そのままの顔や身体そこに居た。幻像や、似た人ではないのは焦ってる私でも流石に理解出来た。だからこそ余計に訳が分からない
私の頭の整理が整う前に、いや整う気など全くしないが、太宰治であろう人物はまたしても私に話しかけてきた

「そのナイフ、君のかい?」

「いえ、……あ、そうなんですけど、これはあの、
出てきたというか」


彼のその存在に気を取られすぎて、質問に上手く応えられない。普通の人に聞かれても、今の私じゃこうなるとは思うけど。

未だ魔女にかき混ぜられた鍋かのようにぐちゃぐちゃな心境の私を素知らぬ振りに、太宰さんは会話を続ける


「そうだね。君は最初からそれを持っていなかっただろう」

「なんで知って……、」

「見てたから。そしてそれは異能力だ。余り世に知られていないが、異能というのは間違いなくこの世にある。君がまさにそうだ。さっきの光、忘れたわけじゃなないだろう?」

「い、異能力……。」

「そう、君の異能力だ」

「私が?」


彼はただ事実を淡々と言っているだけらしい、私に何か洗脳をかけようとはしてないなと思った。

すっかり忘れきっていた右手のナイフを、改めて疑わしく見詰める。青く発光していること以外、何ら変わった様子は見受けられない。しかし、ナイフ自体は普通だが、それが現れた事、現れる瞬間に起こった事から、確かにあれは私の異能力なのかもしれないと薄々感じてきた

ある訳ないのに…。でも先程のあの光は確かにアニメで見た通りのままだった。今更になってやっと予測が付いた、若しかすると私はトリップみたいな、ファンタジーな事をしてしまったのだろうか。無神論者で、血液型占いも信じないような可愛げのない女が?


「冗談、きついって……。」


次から次へと、何が起こっているのかもうさっぱり判らない。此処は何処なんだ?否何処でもいい、私は何故此処に居るの?Aが考えれば考える程、思考の糸は身動きが取れないほど複雑に絡み合う。
太宰はそんなAをただ見ていた。彼が自分を殺そうとしているのかも、見逃そうとしているのかも、今のAには分かるわけもない


「君、名前は?」

「……高橋A。」

「高橋君、異能を見たのは初めてかい?」


はい、と素直に返答すると、太宰は親指を口元に当てながら黙考した。

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ブラコン - かっかッこいいっ兄に思わず抱きつきましたぁ〜。ぶたれたし、抱きつきたくなかったよ〜!けどけど、イラストがッ! (2018年7月21日 22時) (レス) id: e9f72c513a (このIDを非表示/違反報告)
- めっちゃおもしろいですね! 殺せば、勝ちなんだのところ吹きましたwww 渚君www (2018年7月4日 0時) (レス) id: 636a061378 (このIDを非表示/違反報告)
いんこ - 37ページの下らへんに中也のとこで「だうしな」になってます (2018年1月29日 16時) (レス) id: 4376bf785f (このIDを非表示/違反報告)
信乃(プロフ) - イラストかきました。どぞ→ http://uranai.nosv.org/uploader/common/7/6/8/768eaacc1415e24c7349773e07126187.jpg (2018年1月27日 19時) (レス) id: 3baa51b5a2 (このIDを非表示/違反報告)
自殺嗜好(プロフ) - めっさお気に入りです!夢主ちゃんのリアルな突っ込みが気に入ってます!これからも頑張ってください! (2018年1月25日 11時) (レス) id: f37f9cdf35 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:メガネ第2号 | 作成日時:2017年12月31日 19時

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