苦労の記録５ ページ5
今迄に見たどの光よりも凄烈だった。想像して云うのなら、苦しみの内に闇を通り抜けて、初めてこの世に出る瞬間の眩しさの様だった。其れ位美しく、清らかで、繰り返せないのではないかという発光、否閃光だった。光はやがて幾本もの束になり、流光のように滑らかに青光り、右手を中心に私を覆った
「……綺麗」
光糸はしゅるしゅると形を模していき、重さを伴っていく。やがて光は一つに固まり、ある物体となる。月明かりも反射して、薄青く自ら発光するその存在に、私は言葉を失った
｢……な、なんだそれ｣
｢小刀…？！｣
前にいる黒服達も、目の前で起きた出来事に驚愕し、混乱していた
しかし、かく言う当人の私も何が起きているのかさっぱり分からない。分かるのは、今私の右手には、小刀が冷たく沈黙しているという事だ
その場の全員が頭を捻るような状況で、またしても次の波乱が起きる
────ドンドンドン
｢え｣
何の予兆も無しに轟音がした瞬間、黒服達がなし崩しに膝をついて倒れていく。私の頬に何か液体が飛び散ってくる。持ち手の失った銃が私の方まで転がってきた
倒れて数秒して、何かがじわりじわりと地面を染めていった。暗くて色は余りわからなかったが、ぴくりとも動かない黒服を見て察する。それは、血であると。
｢ぐぁああ！｣
最後の1人が苦しそうに呻いて、そして彼もやがて言葉を発しなくなり、事切れた
「あ……、え…」
次から次へと起こる出来事に、私はもう思考が回らない。地面に並ぶ屍に、ただただ驚いていた。余りに現実感が無さすぎて、怯えなど感じられなかった
私以外誰も居なくなった筈の前方で、足音がする。人影は見えるが、矢張り暗くて誰だか分からない。ふと思った、普通なら私もここで殺されるんじゃないんだろうか。何故この人は私を殺さない？不思議に思ったが、その感情はまた驚愕に巻き戻される
雲が動き、幕が上げられたかのように白い月光が地面に落ちる。その光は徐々に前の人物をライトアップしていった
「え……？」
心臓の鼓動と呼吸とが、同時に止まったように思えた。
手入れの無い蓬髪を揺らし、死体になど目も向けないその人は、私を一瞥する
身体のあちこちに包帯で隠されていない左目で。頭の中が白く溶け落ちた気がした
たった今人を殺したというのに、買い物帰りの近所の人物に挨拶でもするかのように、彼は、
────�狢減澆靴覆とΔ劉畭精房�は、言葉を発した。
｢やあ、今晩は。｣
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ブラコン - かっかｯこいいっ兄に思わず抱きつきましたぁ〜。ぶたれたし、抱きつきたくなかったよ〜!けどけど、イラストがｯ! (2018年7月21日 22時) (
レス) id: e9f72c513a (このIDを非表示/違反報告)
杏 - めっちゃおもしろいですね！ 殺せば、勝ちなんだのところ吹きましたwww 渚君www (2018年7月4日 0時) (レス) id: 636a061378 (このIDを非表示/違反報告)
いんこ - ３７ページの下らへんに中也のとこで「だうしな」になってます (2018年1月29日 16時) (レス) id: 4376bf785f (このIDを非表示/違反報告)
信乃(プロフ) - イラストかきました。どぞ→ http://uranai.nosv.org/uploader/common/7/6/8/768eaacc1415e24c7349773e07126187.jpg (2018年1月27日 19時) (レス) id: 3baa51b5a2 (このIDを非表示/違反報告)
自殺嗜好(プロフ) - めっさお気に入りです！夢主ちゃんのリアルな突っ込みが気に入ってます！これからも頑張ってください！ (2018年1月25日 11時) (レス) id: f37f9cdf35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メガネ第2号 | 作成日時：2017年12月31日 19時
