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苦労の記録12 ページ12

私は太宰さんの指示である倉庫に連れてかれた。見た事のある景色に、ここが芥川君の訓練してた場所だと気づく。


「高橋君、君体術の経験あるよね。」
「え?……はい、あります。」


別に闘ったことも無いのに、なんで分かったんだろう、と疑問に思う。太宰さんのことだから私の動きの癖から読み取ったのかもしれない。

経験と言っても習い事の範疇だが、それでも神童とは呼ばれてた程度には出来ているつもりだ。

自分の体術に自信を持って肯定すると、彼はでも、と続けた。


「マフィアでは全然通用しない事を頭に入れておき給え。私でも君からの攻撃は受け流せるから。」


「(…………は?)」


そんなわけないでしょ、と私は心で馬鹿にした。そんな心中を見抜いてか、太宰さんは、少し試してみよう、と両手を広げた。


「高橋君、私に向かって攻撃してごらん。」
「で、でも……。」

太宰さんは体術専門じゃない。怪我をさせるかも、と躊躇っていると、鼻で笑われてしまった。

「私を心配しているの?大丈夫さ、どうせ当たらないから。」

「!」


プライドを潰され、腹が立った私は遠慮なしに彼に殴りかかり、右ストレートで拳を突き出した。しかし太宰さんはさらりと避けた。

「えっ?、」

その後もジャブを繰り出すが、どれも避けられて入らない。このままでは駄目だと思った私は太宰さんの左手を掴み動きを止め、こめかみに横蹴りを入れようとした。


「(よし、これでいける。………ってあれ?!)」

入れたかった!!太宰さんは蹴りかかった私の足を右手で掴んだ。私の本能がやばいと警告を入れるも、体制は崩れる。



「(あ、やばいなこれ。)」


と思った時には既に遅し、今度は太宰さんが私の横腹あたりに前蹴りを入れた。それも、とっても強く。


ガシャアン!

『ぅ゛っ、!』


どれだけ太宰さんの蹴りは強いのか──多分アニメ補正──、私はあっけなく数メートル位吹っ飛ばされた。


「動きが遅いうえに単純。まぁ蹴りに変えたのは正解かな。それ以外は駄目。」


塵を見るように私にダメだしする太宰さん。率直に言おう。攻撃されたことで生まれて初めて推しに殺意が湧いてしまった。


「……す、すみません。」

腹立ちながらも思わず謝ってしまうと、ため息をつかれた。


「まぁいい、体術においては違う師を用意させる。」


お前以外なら誰でもいい、そう思った。

───しかし、とんでもない体術の師が派遣されることを、私はまだ知らなかった。

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ブラコン - かっかッこいいっ兄に思わず抱きつきましたぁ〜。ぶたれたし、抱きつきたくなかったよ〜!けどけど、イラストがッ! (2018年7月21日 22時) (レス) id: e9f72c513a (このIDを非表示/違反報告)
- めっちゃおもしろいですね! 殺せば、勝ちなんだのところ吹きましたwww 渚君www (2018年7月4日 0時) (レス) id: 636a061378 (このIDを非表示/違反報告)
いんこ - 37ページの下らへんに中也のとこで「だうしな」になってます (2018年1月29日 16時) (レス) id: 4376bf785f (このIDを非表示/違反報告)
信乃(プロフ) - イラストかきました。どぞ→ http://uranai.nosv.org/uploader/common/7/6/8/768eaacc1415e24c7349773e07126187.jpg (2018年1月27日 19時) (レス) id: 3baa51b5a2 (このIDを非表示/違反報告)
自殺嗜好(プロフ) - めっさお気に入りです!夢主ちゃんのリアルな突っ込みが気に入ってます!これからも頑張ってください! (2018年1月25日 11時) (レス) id: f37f9cdf35 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:メガネ第2号 | 作成日時:2017年12月31日 19時

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