6人目のメンバー【ars】 (ページ7)

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撮影場所まで向かう廊下を6人で歩く。

「俺らにはタメ口使って？敬語だと怪しまれるから」

隣を歩いている櫻井さんがこそこそ話しかけてきた。
…天下のあの嵐に対してタメ口きくなんて難しい。
何より気が引ける。

「はい。…じゃなくて、うん」

変な日本語になっちゃったし。

「気をつけてよ？」
「はい。……あ、…うん、だった」
「ダメじゃん！」
「…すいませ、……ごめん」

はははっ、と笑いながら、身長の高い櫻井さんが私を見下ろす。

「戸惑うA可愛いな」
「えっ…」
「んもー照れちゃってー。この小悪魔め！」
「ちょっ！やめ…」
「やべーAのほっぺ超柔らかい」

櫻井さんに頬をつんつん触られ思わず赤くなる。

「…あのー、そこのお2人さん？」

二宮さんが後ろから声をかけてきた。
櫻井さんがおどけて返す。

「なんだお主は？邪魔をするでないぞ！」
「いやいやいい加減にしてよ。なに目の前でイチャついてんの」

二宮さんが不機嫌そうに言った。

「AもAだよ。前まで俺らが可愛いとか言って触ってもなんも見向きもしないほど鈍感だった、の、に……」

…え？
途中で言葉が途切れた二宮さん。

「ニノどうした？」

櫻井さんとは逆隣の松本さんが後ろを振り返ってる。
私も同じく振り返ると二宮さんが考える人みたいなポーズをしてて。

「よく考えれば昨日までのA、今日ほど戸惑ったり赤くなったりしなかったもんな…」
「……」
「じゃ、むしろ記憶喪失になってラッキーなのか！」

ポン！と二宮さんが手を叩く。
そんな彼に相葉さんが言った。

「ニノポジティブだねー…。おれまだ状況飲み込めてない…」

沈んだ声。

相葉さん大丈夫！
と心の中で応援する。
私もこれが夢なのかもうわからなくなってるから！

二宮さんがニヤリと笑う。

「落ち込むならどうぞご勝手にー。今がチャンスだってわかってないんだ相葉さんは。もったいない」
「…え？」

二宮さん以外の4人が聞き返した。
私もよくわからない。

「今のAは俺らがアピールすればするほど堕ちる可能性高いよ？」
「……」
「さっきから赤くなったり可愛い反応してばっかだもん。ねぇA？」
「っえ？！」

二宮さんが至近距離で優しく微笑む。
その笑顔にきゅん。

「ほら。…じゃあ、キスしたらどうなんの？」

真面目な表情になった二宮さんが顔を傾ける。

…え？！
本当にする気？

「バッカ！させるかよ！」
「っわ！」

突然松本さんが私を自身の方へ抱き寄せた。