6人目のメンバー【ars】 (ページ3)

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「……あの、帰ります」
「え？」

大野さんがテレビで聞くのと同じ声を出した。

「なに言ってんの？寝ぼけすぎ」

櫻井さんが笑う。
テレビと同じ顔で。

悪い夢？
いや、むしろ嬉しいくらいラッキーだけど。
夢にしてはリアルすぎる。

「A？」

大野さんが私を呼ぶ。
なんで名前知ってるんだ？
しかも呼び捨てだし。
天下の大野さんとそんな親しい間柄じゃない。
というか一度も会ったことがない。
…会えるものなら会いたかったけども！

「……」

…うん。
本当に帰ろう。

すくっと立ち上がる。
隣に置いてある鞄はこの頃よく私が使う鞄。
ということは、迷った？
…いや、私休憩室で寝てたはず。
寝ながら街の中歩いて建物の中で迷うなんて夢遊病か私は。
あとで一応病院行こう。

「……」

ここ、テレビで時々見たことある楽屋っていうのに似てるから、テレビ局の中？
なんでテレビ局なんかに…。
しかも嵐の楽屋。

「おっはよー！」

突然元気良く楽屋のドアが開いた。
やってきたのは相葉雅紀。
脚長いな！
櫻井さんと大野さんが挨拶を返している。

相葉さんが私を見た。
…恥ずかしい！
顔が赤くなる。

「Aー！なんで立ってんのー？」
「っうわあ！？」
「抱っこしちゃうぞ！」

もうしてるじゃん！
と思う余裕がないほど前からぎゅ、と抱きしめられた！あの天下の相葉雅紀に！
いいにおいがする！
あったかいし！
心臓が人生で一番じゃないかってぐらいバクバクいっててヤバイ。
寿命縮まるわ！

「こら！勝手に俺のAに抱きつくな！」

櫻井さんが叫んで空いてる後ろから私を抱きしめるからまたパニック！
なんで私こんなんなってるの！
意味わかんない！
相葉さんとは違ういいにおいがするし！
心臓止まる！

「おはようございます……ってなにしてんの朝から」

また楽屋のドアが開いた。
声からして二宮和也？
抱きしめられてて相葉さんのシャツしか見えない。
いや、見えたらあっちからも見えるってことだから見えなくてもいいや！
目があったら恥ずかしいし！

「ニノー、おいらのAがとられたー」
「大野さんのじゃないでしょ……俺のAから離れなさいよそこの2人！」

二宮さんが叫ぶ声がしたのが最後。

「……」

私は気を失った。